健康管理情報

入学式(お赤飯) ~行事食~

2007年4月号
更新)
行事食

入学式の季節になりました。ピカピカのランドセルを背負ってうきうき歩く子どもたちをよく目にします。4月は入学だけでなく、新生活、新社会人となどのお祝い事が重なる時ですね。
日本のお祝い事というと欠かせないのが「お赤飯」です。今回の健康情報はそんな「お赤飯」にスポットをあててご紹介いたします。

赤い色のお米

実はお米にはいくつかの種類があります。普段私たちが食べているのは白いお米が大多数です。(お米については健康管理情報 バックナンバー 2006年10月号をご覧下さい)しかし、最近は古代米といった名目でよく目にしますが、昔よく食べられていた赤米や黒米などを多くの種類があります。
実はこの赤米が赤飯のルーツと言われています。
赤米の色はポリフェノールの一種のカテキンで、日本に最初に伝わった米といわれています。

どうしてお祝い事でお赤飯を食べるようになったの?

赤い色は邪気をはらい厄除けの力をもつと信じられ、凶事に食べられていました。そしていつからか逆転し、祝い事や特別の行事に食べられるようになりました。宮中では平安時代から用いられていました。現在のように慶事にお赤飯を用いるようになったのは江戸後期からといわれています。
誕生、初節句、七五三の祝いなどには子どもの健やかな成長を願い、婚礼の日には将来に幸多からんことを祈るためにお赤飯を食べています。

アズキやササゲの栄養価

アズキやササゲの赤い色

アズキやササゲの赤い色はアントシアニンの色です。アントシアニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用があるといわれています。

その他の栄養

アズキもササゲも豆科です。それぞれの栄養価は

乾燥100g当たり アズキ ササゲ
タンパク質(g) 20.3 23.9
脂質(g) 2.2 2.0
炭水化物(g) 58.7 55.0
カリウム(mg) 1,500 1,400
マグネシウム(mg) 120 170
亜鉛(mg) 2.3 4.9
ビタミンB1(mg) 0.45 0.50
ビタミンB2(mg) 0.16 0.10
葉酸(μg) 130 300
食物繊維(mg) 17.8 18.4

となっています。これは乾燥の状態での栄養価ですので、煮汁等に溶け出す栄養素もあります。その煮汁で炊くので、ただのお水で炊くよりも栄養価は高くなります。
また、サポニンを含みます。このサポニンは脂肪やコレステロールを取り除き、抗酸化作用もあるといわれており注目されています。

おいしいレシピ

最近ではおこわとしても惣菜屋さんで購入することも多いかと思いますが、一度ご自分でも炊いてみてはいかがでしょうか?
お赤飯(炊飯器で炊いてみよう!)
材料 (3~4人分)
  • アズキ(もしくはササゲ) ……100g(約1/2カップ)

  • もち米 ……2合

  • うるち米 ……1合

  • ごま塩 ……少々

作り方

  1. 1

    アズキは水で洗い、たっぷりの水(5~6倍)につける。(30分以上。前の日から漬けて置いてもよいです)

  2. 2

    1で漬けたものを水ごと鍋に入れ、煮立ったらあくを取るためにゆで汁を一度捨てる。また鍋にアズキをうつし、2.5カップの水を入れ再び火にかける。

  3. 3

    煮立ったら、弱火にする。アズキは皮が破けやすいので、静かに15分程度ゆでる。少し固めでよいので、火を止め、ザルにアズキをとり、ゆで汁を冷ます。
    注意! この時ゆで汁は炊くときの水として使用するので捨てないこと。

  4. 4

    もち米とうるち米を合わせとぐ。水をよく切り、炊飯ジャーの釜にうつす。

  5. 5

    冷ましたゆで汁をお米の入った炊飯ジャーの釜に注ぎ、線までくるように水を足すなどする。(30分程度吸水させ、それからスイッチを入れてください)

  6. 6

    5にアズキを平らに敷き、スイッチを入れる。(この時炊き込み用などという種目があればそのスイッチで炊くとよい)

  7. 7

    炊き上がったらアズキを割らないよう丁寧に混ぜ、器にもりごま塩を適量ふり、いただきます。

来月のテーマは、「端午の節句 ~行事食~」です。