健康管理情報

大晦日(年越しそば) ~行事食~

2007年12月号
更新)
行事食

年越しそばは、江戸時代から定着した食習慣で、現代も歳末の風物詩となっています。
年越しの行事を総称して「年取り」または「お年取り」ということから、「年(歳)取りそば」ともいわれます。
また、大晦日の別称から「大年そば」「大つごもりそば」ともいわれます。
(「つごもり(晦日)」とは、月が隠れる日、すなわち月隠(つきごもり)が訛った言葉で、月の末日のことです。つまり、大晦日とは一年の末日を指します。)

年越しそばとは…

年越しそばには、いくつかの説が伝えられています。

  1. そばは細く長くのびることからの縁起説 
    寿命を延ばし、家運を伸ばしたいという願いがこめられています。また、そばは切れやすいことから、一年の苦労や厄災、あるいは借金を断ち切るという意味があるともいわれます。
  2. 細工師による縁起説
    金箔を使う細工師は、飛び散った金粉を集める時に練ったそば粉を使ったといわれます。そこから「そばは金を集める」という縁起をかついで食ベるようになったという説もあります。

そばの効果

そばには、こんな健康効果があります!

そばにはたんぱく質がたっぷり!

そばには、体内で合成されない良質のたんぱく質が豊富に含まれています。質を示すたんぱく価は、お米65に対し、そばは92と卵100に匹敵する高さを示しています。

ビタミンもたっぷり!

そばには、多くのビタミン類も含まれています。特に、ビタミンB群が豊富です。ストレスにさらされる機会の多い現代人に重要なビタミンB1は、お米の4倍、小麦粉の2倍多く含まれており、細胞の再生や成長を促進するはたらきのあるビタミンB2もお米の4倍含まれています。
ビタミンPと呼ばれていた「ルチン」も豊富に含まれています。毛細血管のはたらきを安定、強化させ、高血圧や脳出血などの予防によいといわれます。
ちなみに、毛細血管を強化するためには、1日20mgの摂取が目安とされています。茹でたそば切り100gの中には、ルチンが10㎎含有されているので、200gのそばを食べるとよいでしょう。
また、ビタミンCと一緒にとるとそのはたらきが活性化されるので、大根おろしやすだちと一緒に食べるのもおすすめです。
さらに、ルチンは水溶性なので、そばを茹でている間に茹で湯に溶け出してしまいます。そのため、そば湯は貴重なビタミン類の供給源でもあることから、そば湯を飲む風習が広まったとされています。

おいしいレシピ

あんの優しいとろみとおろししょうがが、体を芯から温めます。寒さが厳しい季節にぴったりのおそばです。 えびは、長いひげをはやして、腰が曲がるまで長生きすることを願った縁起のよい食材です。来年もよい年になりますように…。
年越しあんかけそば
材料 (4人分)
  • そば ……4玉

  • えび ……8尾

  • 生湯葉 ……2枚

  • 三つ葉 ……適量

  • おろししょうが ……適量

  • 水溶き片栗粉 ……適量(片栗粉1:水1~1.5)

  • 出し汁 ……1,000cc

  • 薄口しょうゆ ……65cc

  • みりん ……65cc

  • 濃口しょうゆ ……少々

作り方

  1. 1

    えびの殻をむき、背わたをとって洗い、さっと茹でる

  2. 2

    湯葉と三つ葉を食べやすい大きさに切る

  3. 3

    鍋に出し汁、しょうゆ、みりんを合せて火にかけ、ひと煮立ちさせる

  4. 4

    3にえびと湯葉を入れて再度煮立たせ、水溶き片栗粉でとろみをつける

  5. 5

    違う鍋でそば茹でて温めた器に入れ、4をかける

  6. 6

    三つ葉を散らし、おろししょうがをのせる

来月のテーマは、「ナトリウム ~体に必要な「ミネラル」ってなんだろう??~」です。