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青森 ~日本の郷土料理~

2015年1月号
更新)
日本の郷土料理

青森県は、日本の本州、最北端に位置します。南は岩手県、秋田県が隣接し、津軽海峡を渡った北には北海道が位置しています。
青森県の気候は、奥羽(おうう)山脈が日本海側と太平洋側の間に位置するため、気候が大きく違います。夏には、太平洋側で「ヤマセ」という冷たい北東風を吹かせ、冬には、日本海側に雪を降らせます。
青森県は、全国第8位の広さの面積をもち、人口は全国第31位となっています。また、農林水産業が盛んであり、県の66%の面積を森林が占めています。白神山地のブナの原生林は世界遺産に登録されています。また太平洋、日本海、津軽海峡に囲まれていることから、たくさんの海産物が獲れ、中でもヒラメは日本一、ホタテガイ、イカ類は全国第2位の漁獲量を誇っています。

 

名所

十和田湖

十和田湖は十和田八幡平国立公園内にあり周囲の長さは約46kmあり、最深部の深さは327mもあり日本第3位の深さを誇ります。(1位秋田県:田沢湖、2位北海道:支笏湖)成り立ちとしては、約20万年前の火山活動から始まり、十和田火山の大噴火(約4万年前)によって湖の原型ができたといわれています。湖周辺は豊かな自然に包まれており、ブナ、カツラなどの自然林が広がり、野生生物の生息地ともなっています。
季節ごとにさまざまな顔を見せ、春になるとオオヤマザクラやキタコブシの花が咲き、夏は新緑、秋には紅葉、冬には幻想的な雪化粧へと変化していきます。

特産品

りんご

青森りんごは、全国のりんご収穫量の半分以上を占めています。最近では、りんごの医学的効能も明らかになっており注目しておきたい果物です。青森りんごの表面にみられるつやはワックス処理によるものではありません。これは「油上がり」という現象によるものです。この現象は栄養価が高まってよく熟している食べごろのサインなのです。ジョナゴールド、つがるなどの品種に多くみられます。
りんごは果物の中でも、ペクチン・カリウム・ポリフェノールを豊富に含んでいます。ペクチンによる腸内細菌の育成、カリウムによるナトリウムの排せつ、ポリフェノールによる活性酸素の働きの抑制など美容や健康にとても優れた働きを持つ果物です。

郷土料理

いちご煮

いちご煮は、果物のいちごではありません。青森県八戸市を中心に三陸海岸の伝統的な料理です。階上町や八戸市でよく食べられています。いちご煮とは、ウニ(キタムラサキウニ、エゾバフンウニなど)とアワビのお吸物です。ウニを煮た様子が朝霧の中の野イチゴの果実のように見えることからこの名前がつきました。また、アワビはつぶ貝などで代用されることもあります。
料理法は、出汁で薄切りのウニとアワビを煮立て、調味料は塩と醤油のみというシンプルな味付けの料理です。ウニやアワビにも旬があり、特にウニは種類によってさまざまで、3~4月はバフンウニ、6~8月がムラサキウニ、7~8月がエゾバフンウニ、9~11月がキタムラサキウニというように分かれています。アワビの旬は7~8月といわれています。

けの汁

けの汁は、青森県の伝統的な郷土料理であり、主に津軽地方でよく食べられています。名前の由来として、「け」とはおかゆのことであり、「粥の汁」がなまったことからこの名前になりました。けの汁は小正月と深いかかわりがあり、昔は、小正月の前日の十五日までにつくり、十六日の朝に仏前に白粥とともに供えた精進料理でもあったのです。近年までは、けの汁を前もってつくっておき、小正月をくつろぐための料理でもありました。
また、東北では七草粥の意味もこめられており、豪雪で春の七草摘めないことからけの汁がたべられており津軽の七草とも呼ばれています。 材料、切り方、味付けなど調理の方法は地域や家庭によって異なりますが、食材としては主に、だいこん、にんじん、ごぼう等の野菜類と、ふき、わらび、ぜんまい等の山菜類、油揚げ、豆腐などで、これを刻んで煮込み、みそやしょうゆで味付けをしたシンプルな料理です。

来月のテーマは、「岩手県 ~日本の郷土料理~」です。