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宮崎 ~日本の郷土料理~

2015年12月号
更新)
日本の郷土料理

宮崎県は九州南東部に位置し、九州の山脈を背に広く太平洋に面しています。隣接する都道府県は、鹿児島県・大分県・熊本県になります。宮崎県の気候は、海洋性気候に属し、冬でも暖かく、夏は暑くても湿気が少なく過ごしやすいです。また、日照時間の長さ、快晴日数が全国でも上位でありながら、梅雨の時期や台風の時期に集中的に雨が降ることによって降水量が多いのも特徴です。
宮崎県は日本最古の歴史書である「古事記」や「日本書紀」に「日向(ひむか)の国」と記され、日本発祥にまつわる神話と伝説の舞台でもあり、美しく広大な自然に囲まれた神話の里として知られています。
県の花は「浜木綿(はまゆう)」です。東アジアから南アジアにかけて温暖な地域に分布する浜木綿は、花が白くて木綿が垂れているように見えることから名付けられました。毎年6月から9月にかけて、日南(にちなん)海岸(かいがん)沿いの青い海を背景に白く美しい花を咲かせます。

 

名所

高千穂峡(たかちほきょう)

高千穂峡は、阿蘇の火山活動で噴出した火砕流(かさいりゅう)が五ケ瀬川に沿って流れ出し、急激に冷却されたために柱状節理(ちゅうじょうせつり)(岩体に入った柱状の割れ目)の懸崖(けんがい)(切り立った崖)となった渓谷(けいこく)です。
高千穂は神が初めて天界から天下った「天孫降臨(てんそんこうりん)伝説」の地といわれ、高千穂神社、天岩戸(あまのいわと)神社、天安河原(あまのやすがわら)など神話ゆかりのスポットが集まり、高千穂峡では神秘的な空間と自然が造り出す造形美を堪能することができます。
天孫降臨の際に天上界から移したと伝わる天真名井(あまのまない)が水源である真名井(まない)の滝を間近に見られる貸ボートも人気です。

特産品

日向夏(ひゅうがなつ)

日向夏は1820年に宮崎市の真方安太郎氏の庭で発見された宮崎県原産の柑橘です。日向夏は柚子が突然変異したものといわれ、生産量の半分以上は宮崎県でつくられています。
温州みかんよりやや大きく、果皮はレモンのような薄い黄色です。ふかふかの甘みのある白皮(アルベド)と果肉を一緒に食べることで、独特な風味を味わうことができます。
日向夏はビタミン・ミネラルではビタミンCとビタミンB1の成分が高く、生食のほか、ジュースやジャム、ドレッシング、そしてサラダや煮物などにも料理の食材として活用されています。

郷土料理

飫肥(おび)の天ぷら

飫肥の天ぷらは、江戸時代から伝わる宮崎県日南市飫肥地方の郷土料理です。近海で獲れた新鮮なアジ、イワシ、サワラ、トビウオなどをすり身にし、豆腐や黒砂糖、味噌、醤油、酒を混ぜ合わせ、これを小判のような形にして油で揚げます。
見た目は薩摩揚げにも似ていますが、豆腐と混ぜ合わせることでふんわりとやわらかい食感となり、ほんのりとした甘い味が特徴です。また、おかずだけでなく、おやつやお酒のつまみとしても最適です。

冷や汁

冷や汁は、もともとは忙しい農家の繁忙期の食事として手間をかけずに調理でき、すぐに食べられることを目的にした即席料理でした。現在では、宮崎県全域の家庭で食される定番郷土料理となり、全国でも知られています。
イリコ(煮干)や焼いてほぐした旬の白身魚(アジやカマスなど)をすり鉢で擦り、味噌やゴマ、砂糖、塩を混ぜ合わせて焼き味噌になるように丹念に焙ります。さらに、だし汁をよく混ぜ合わせて冷やします。冷やした汁にキュウリ、大葉、豆腐、ミョウガを入れて、熱々の麦飯にかけて食べます。夏の暑い時期、食欲がなくてもすっきりとして食べやすい料理です。

来月のテーマは、「佐賀県 ~日本の郷土料理~」です。