健康管理情報

コレステロールの検査

1999年3月号
更新)
生活習慣病

検査項目で三番目に多いのが「コレステロール」です。ついで「中性脂肪」となります。この言葉はかなり浸透していますが、どのようなものかはあまり良く知れらていません。コレステロールや中性脂肪は体にとって悪いだけでなく、必要なものでもあります。そこで、知られていないコレステロール、中性脂肪についてお話しましょう。

コレステロールと中性脂肪

食事に含まれる脂質は、腸管で吸収され、小腸の粘膜に再合成されてリポたんぱく粒子(カイロミクロン)になります。そして、リンパ管から血液に入り肝臓に運ばれます。更に肝臓で再合成されより比重の軽い超低比重リポたんぱくとなり、血液中に放出され全身に運ばれます。この血液中の脂質を血清脂質と呼び、コレステロール中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸に分類されます。

脂肪は脂(あぶら)ですから、水に溶けません。血液は親水性ですから、こういったコレステロール、中性脂肪などはリポたんぱくと結合することで、水と脂肪の双方になじみやすくなります。

リポたんぱくは比重によって分類されます。

コレステロール、中性脂肪の働き

コレステロールはリン脂質と共に生体を形づくる細胞の重要な構成成分です。その他、胆汁酸やステロイドホルモンの原料になります。中性脂肪はエネルギー源として使われます。

コレステロール・中性脂肪の診断基準

「高脂血症」に当てはまる値が一つでもある場合は治療が必要です。また、境界域に当てはまる場合も今後「高脂血症」になる可能性があります。

総コレステロール

いろいろなリポたんぱくに含まれているコレステロールの総量。

LDLコレステロール=総コレステロール-HDLコレステロール-(中性脂肪値×0.2)

コレステロール、中性脂肪を上げる原因

コレステロールや中性脂肪が多いと高脂血症や脂肪肝になる可能性があります。次月はこれらの病気について詳しくお話します。

来月のテーマは、「コレステロールの検査Ⅱ」です。