生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
腎臓は腹背部の腹膜外にあり、脊椎をはさんで左右に一対あります。ソラマメ状の赤褐色をしています。腎臓一つは握りこぶし大の大きさで、重さは120~150g程度です。
※ 糸球体…毛細血管の集まりで、血液中の老廃物や異物などの不要な物質が濾過され、原尿がつくられます。
原尿は尿細管を通るときに必要な成分が再吸収され、不要なものは尿となって膀胱に送られ、排泄されます。
検査方法 (尿の検査) |
検査内容 |
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尿タンパク・尿潜血 | 試験紙による検査。 通常は陰性であっても、起立・運動・発熱などで陽性になる場合もあるので、 初回の場合は再検査を要する。 |
尿沈渣 | 尿を遠心分離器にかけて固体成分を顕微鏡で調べる。 顆粒円柱や赤血球円柱が見つかると病変があると推測される。 |
※ 顆粒円柱、赤血球円柱…腎臓に病変があると特殊な円柱が見つかることがある。
※尿タンパクと尿糖が出ている場合は糖尿病性腎症が疑われる。
検査方法 (血液の検査) |
基準値 | 検査内容 |
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尿素窒素(BUN) | 8~23mg/d1 | 筋肉を構成するたんぱく質の老廃物。 濾過機能が十分でないと血液中の濃度が上がる。 |
クレアチニン | 0.7~1.2mg/d1 | 筋肉を構成するたんぱく質の老廃物。 濾過機能が十分でないと血液中の濃度が上がる。 |
尿酸 | 2.0~7.0mg/d1 | 尿酸の排泄量が少ない場合は腎臓の機能が十分でない。 |
血液中の尿酸値が増えることを高尿酸血症といいます。この尿酸血症は腎機能の低下だけでなく、誤った食生活などによっても起こるので、尿酸値だけで腎臓が悪いと判断はできません。
また、尿酸が血液中で針状の結晶となり、関節や皮膚に沈して、関節炎や痛風結節をつくり、激痛を伴うことを『痛風』と呼びます。
経過 | 無尿~乏尿期 | 利尿期 | 回復期 |
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症状 | ・急激な尿量の減少 ・体重増加 ・尿のにごり ・蛋白尿 ・むくみ ・クレアチニン、 BUNが増加し、 尿毒症症状が発現する など |
・尿量の増加 ・体重減少 ・脱水 ・BUNの低下 |
尿細管の機能回復と共に原尿の再吸収が促進され、 尿量が正常になる |
腎臓病の治療は医師や栄養士によく相談をし、各病状に合った適切な指示を受けることが大切です。その上で、腎臓病食品交換表を活用すると良いでしょう。食事療法について、主な注意点を以下に述べます。
…食塩の制限
…たんぱく質の増加
…たんぱく質の制限
…水分の制限
以上の治療食に共通する重要なことは、エネルギーの確保です。
※腎臓病食品交換表…腎臓病食のため、たんぱく質3gを1単位として、治療の目的にそった食事ができるように工夫されたもの。一般の書店で購入できます。
来月のテーマは、「腎臓の検査」です。