胃がんの治療は以下のものが挙げられます。
内科・外科・放射線科で検査を受けましても、消化器を専門とする医師が診断をします。最近は消化器科を設ける病院も増えてきました。
胃がんの症状が出現して持続するようなら、早めに消化器病専門医を訪問し、医師に胃がんと診断されたなら治療を速やかに開始しましょう。
治療は、切除可能な胃がんであれば外科が担当し、内視鏡治療が可能な場合は内視鏡医が担当することもあります。併用される抗がん剤などの化学療法のため、内科が担当することもあります。 |
| (1) 外科療法 |
一般的には、がん組織を含めて十分な範囲の胃を切除し、転移の可能性がある胃の周囲のリンパ節を摘出します。(リンパ節郭清)
胃がんの発生場所、範囲、他臓器への転移の有無により手術方法は変わります。
| ● 早期胃がん(胃壁へのがんの深さ-浸潤-が浅い)の場合 |
狭い範囲の切除で、がんを完全に取り除く手術を行ないます。
以前は早期胃がんであっても、広範囲を切除していましたが、現在では狭い範囲の切除でもがんが完全に治り、術後、長期間生存できる人が増えていることから、このような治療も広く受け入れられるようになってきました。
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内視鏡による切除(内視鏡的粘膜切除術-EMR-) |
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開腹手術をせず、内視鏡により粘膜内にとどまるごく早期のがんを切除します。潰瘍や潰瘍の跡がある場合は行われません。リンパ節への転移がある危険性がある場合は行われません。
早期胃がんの中でも病変部の形により、@隆起型、A平坦型、B陥凹型、に分類されます。
そのうち内視鏡で治療できるのは、深さが粘膜までとどまっている次のものです。
- 大きさが2センチまでの隆起型
- 1センチまでの陥凹型
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また、がん組織の型の違いから以下のように分類され、内視鏡治療に適応するしないが決定されます。
| ・分化型のがん・・・内視鏡治療に適する
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・未分化型のがん・・・内視鏡治療に適さない
| 進行が早く悪性度の高いがん。小さくても転移している可能性があるため内視鏡治療には適さない。 |
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| ・潰瘍や潰瘍の跡がある場合・・・内視鏡治療に適さない |
方法 :
@ 色素散布
| インジゴカルミンやメチレンブルーといった青い色素を散布します。胃の粘膜は細かな凹凸が規則正しい模様となっていますが、病変部は組織が崩れているので色素も規則正しい模様となって付着しません。これにより病変部を正常部分と区別します。 |
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A 高周波端子を用いたマーキング
| 高周波電流を流して端子を病変部周囲に流すことにより、電流を流した部分が白く凝固します。 |
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B 生理食塩水の注入による病変部の隆起
| 病変部の下の粘膜下層に生理食塩水を注射で注入し、粘膜下層を広げてがんを隆起させます。そうすることで必要な部分のみ切除できます。 |
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C 把持鉗子によるつまみあげ-病巣把持(びょうそうはじ)-
| スネアの輪の中に通した把持鉗子を用います。 |
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D スネアによる引き絞め
| つまみあげた病巣をマーキングを目安にして絞扼(こうやく)します。 |
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E スネアによる切除
| 高周波電流を流して病巣を焼き切り、病巣を取り出します。(病巣は組織検査をします。) |
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F 術後の経過について
術後〜翌朝
| 点滴にて栄養補給を行い、抗潰瘍剤を服用し、水のみ飲んでも良い。 |
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翌朝
| 切除部分を内視鏡で確認し、お粥を食べることができます。 |
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| 翌々日
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その後
| リンパ節への転移を調べたり、生検で切除部分に病巣の残りの有無を調べたりし、長期経過観察が行われます。 |
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| 定型手術よりも、胃やリンパ節の切除範囲を小さくした方法です。 |
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内視鏡粘膜切除術が可能な病巣の大きさよりやや大きいものは腹腔鏡による手術の対象となります。腹部に小さな孔を開けて内視鏡を挿入した腹腔鏡を使って病変部を取り除きます。
- 大きさが2.5センチまでの隆起型
- 1.5センチまでの陥凹型
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切開するところが少なく済み、手術後の機能障害が少なく、回復が早いため入院期間が短くて済み、社会復帰が早いのが利点です。しかし、全身麻酔は必要です。
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| 方法 : |
へその上下から腹腔鏡を挿入して、腹腔内がよく見えるように、処置をしやすいように、気腹装置を用いて腹部に炭酸ガスなどの気体を入れて膨らませます。
腹部から挿入した器具で胃壁の切除部分をつかみ、腹壁側に持ち上げて自動縫合器で切除します。切除したものは体外に取り出し、切除部分は止血します。
| 手術時間 |
2〜3時間 |
| 術後の食事 |
手術翌日あるいは翌々日 |
| 入院期間 |
約5日 |
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| 方法 : |
へその上下から腹腔鏡を挿入して、腹腔内がよく見えるように、処置をしやすいように、気腹装置を用いて腹部に炭酸ガスなどの気体を入れて膨らませます。
腹部から胃の内部へ管を通し、そこから内視鏡と器具を挿入し、高周波メスで病変部周囲に切除のための目印となる印をつけ、粘膜下層に生理食塩水を注入し、切除部分を鉗子で持ち上げて、印にそって切除します。切除された部分は内視鏡を通して体外に取り出し、胃に通した管を抜き取り、孔を閉鎖する。
| 手術時間 |
4〜5時間 |
| 術後の食事 |
手術翌日あるいは翌々日 |
| 入院期間 |
約8日 |
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| ● 進行がんの場合 |
胃は摂取した食物を胃酸で消化し、徐々に腸に送り出します。特に胃の上半部を切除すると胃の機能が消失してしまいます。
切除の後は消化管の再建手術を行います。その場合、胃を全摘出した場合は食道と十二指腸の間に腸を代用胃として入れたり、胃の一部が温存された場合は、残された胃と十二指腸を直接吻合したり、あるいは残胃と小腸の上部を吻合したりします。
手術後の合併症:
| 膵臓付近のリンパ節を取り除いた時に膵液が一時的に漏れる症状が手術後の合併症として一番に挙げられますが、縫合不全も次に挙げられます。 |
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胃の2/3以上と、胃に接するリンパ節および胃に流れ込む血管沿いのリンパ節までを切除します。
胃体部の大きながんに対しては、胃の出口にあたる幽門前庭部を残しても胃の機能は失われてしまっているので全摘してしまうことがあります。
がんが胃の入り口である噴門と離れている場合は、出口にあたる胃の幽門側を切除します。噴門は温存されるので、ある程度の胃の機能が残されます。
逆に胃の入り口に当たる噴門部あたりにがんがある場合は、胃を全摘出します。
しかし、噴門部あたりにできてもがんが早期で小さい場合は、噴門側胃切除となります。 |
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筋層下まで及んだ進行したがん細胞は、血管を通って多臓器へ、リンパ管を通ってリンパ節へと転移する。
そのような場合行われる拡大手術は、定型手術に加えて、胃より遠い場所にあるリンパ節や他の臓器まで切除する方法です。 |
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−手術後の療養−
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■食事について
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| 流動食を食べ始め、1日に5〜6回に分けて食事をする。 |
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| 1回の食事で食べられる量が増え、健康な人と同じように食事が摂れるようになります。ゆっくりよく噛んで食事をしましょう。 |
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■退院と社会復帰
抜糸と、からだに入っていた排液管などが抜かれると、入浴も可能になり退院も間近となります。
手術後の社会復帰については、個人差がありますので担当医と相談しましょう。 |
■後遺症について
胃を切除すると、胃や代用胃に食物が貯留できる時間が短くなり、食べられる量も少なくなる。また、胃を切除し残った部分を縫合する為、吻合方法によっては、縫合不全があったり、胆汁が胃や食道に逆流することがある。
胃の機能が低下・消失するために以下の後遺症が見られることがあります。
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消化吸収障害 |
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下痢 |
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ダンピング症候群(めまい、頻脈、発汗など) |
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逆流性食道炎(胸やけ)など |
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腸閉塞
(手術による癒着や暴飲暴食などが原因) |
※ 術後、長期間経ってから起こることがあるもの
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貧血 |
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骨代謝異常(骨粗鬆症、骨軟化症など) |
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胆石の発生 |
手術後の再発防止や後遺症予防のために、定期的に外来を受診し続けることが必要です。 |
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| ● 一部の進行がんの場合 |
がんを完全に切り取り永久的な治療を目指す手術は可能ですが、浸潤が進んだ場合や他の臓器への転移が認められる場合には、症状を改善する為の手術(食物の通過障害が起こっている場合、食物の通り道を再建する手術など)が行なわれることがあります。
痛みや感染を抑え、精神面を含めた全身的ケアを行います。 |
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| ●広範囲に転移が起こっている場合 |
| 広範囲の転移などでがんの切除が不可能な場合は、化学療法や免疫療法が行われます。 |
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| (2) 化学療法・・・抗がん剤の使用 |
外科療法で切除しきれなかった場合や、再発した場合に化学療法が用いられます。
| 種類 : |
内服の場合 と 点滴の場合 がある。 |
| 薬剤 : |
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フルオラシル(5FU) |
| ・ |
マイトマイシンC |
| ・ |
塩酸ドキソルビシン |
| ・ |
シスプラチン など |
単独、あるいは併用で用いられます。 |
| 副作用: |
「抗がん剤」というと副作用の心配をされる方が多いものですが、切除したがん組織を使って抗がん剤に対する試験をし、効果があると予想される薬剤を事前に選択し、無為な副作用を軽減する工夫も行なわれています。
しかし、抗がん剤はがん細胞だけに効くものではなく正常な細胞も破壊してしまうため、副作用は避けられません。
脱毛、吐き気、下痢、口内炎、白血球や血小板の減少が副作用として挙げられます。心臓や肝臓、腎臓に障害を起こすこともあります。 |
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| (3 )免疫療法・・・免疫強化薬の使用 |
| 目的 : |
その人自身がもつ免疫機能を高めます。 |
| 薬剤 : |
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ピシバニール |
| ・ |
クレスチン |
| ・ |
レンチナン などが広く用いられています。 |
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| (4) その他の治療法 |
放射線治療や温熱療法などが試みられていますが、現在のところ治療法として十分に確立されておりません。
・放射能治療
放射線は、細胞のDNAに直接作用して細胞が分裂して数を増加させる能力をなくしたり、細胞が自ら死んでいく現象を増強します。
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・温熱治療
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