肝がんの患者さんの約80%にC型肝炎ウイルスの感染が見られることから、肝がんの原因は「C型肝炎」が最も多いことがわかります。このような場合、慢性肝炎、肝硬変を経て肝がんが引き起こされているため、肝機能が低下しています。
がんの治療を始めるにあたっては、すでに低下した肝機能を損なうことなく、保持することが重要です。
肝がんの治療は以下のものが挙げられます。
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| (1) 外科療法 |
肝がんの外科療法には、がんを切除する手術(肝切除術)と移植手術があります。
| @ 手術療法(肝切除術) |
切除する範囲は、がんの位置や大きさや数によって決まります。
「すでに低下した肝機能を損なうことなく保持する」という面を考慮して治療が行われますので、がんの完全な切除が可能で、術後に肝不全が起こらない場合に肝切除術は行われます。
しかし、肝細胞がんでは肝硬変を起こしていることが多く、肝臓の切除により肝臓の機能がさらに低下してしまうため、切除手術は多く行われません。 |
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| A 移植手術 |
| 機能が非常に悪く、肝切除術や局所療法が行えない場合に、肝臓を提供するドナーから肝移植が行われます。 |
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| (2) 局所療法 |
局所療法には以下の方法があります。
| @ エタノール注入療法 |
約3cm以下の比較的がんが小さいもので、他の臓器に転移がない場合に行われます。
がんの正確な位置を確認するために超音波による映像を見ながら、皮膚の上から長い特殊な針を直接がん組織に刺して、エタノールを注入し、がんを固めて壊死させます。
水分が含まれていないエタノールを使うことで、がん細胞内の液体成分が出てきて、がんは凝固します。
通常、治療には約1ヶ月の入院が必要となり、1週間に2回のエタノールの注入を4週にわたって行い、計8回、注入することとなります。 |
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| A マイクロ波凝固療法 |
約3cm以下の比較的がんが小さいものが対象となり、健康保険も適用されております。
がんの正確な位置を確認するために超音波による映像を見ながら、皮膚の上から長い特殊な針を直接がん組織に刺し、両太ももにつけた対極板に向かって、針の先端からマイクロ波を出して、がんを焼きます。(マイクロ波とは電子レンジで使用されている電磁波です。)
しかし、この電磁波は高熱を出すため、焼灼される範囲が広くなってしまい、肝臓の周囲にあるがんに侵されていない組織や血管なども焼灼してしまうことがあります。 |
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| B ラジオ波焼灼術 |
マイクロ波ほどの高熱にはならず、80〜100℃程度になり、1回の焼灼で焼ききれる範囲はマイクロ波より大きく3〜4cmです。現在、健康保険は適用されておりません。
マイクロ波焼灼術と同様の方法で、がんの正確な位置を確認するために超音波による映像を見ながら、皮膚の上から長い特殊な針を直接がん組織に刺して、両太ももにつけた対極板に向かって、針の先端からラジオ波を出して、がんを焼きます。
この電磁波はマイクロ波よりも高熱ではないため、焼灼する範囲がコントロールしやすく、正常な組織を焼灼してしまうことは殆どありません。 |
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| (3) 塞栓療法 |
肝臓は「肝動脈」と「門脈」という2つの血管から血液の供給を受けており、正常な肝臓は主に「門脈」からの血液により栄養を受けていますが、肝がんは「肝動脈」からの血液から栄養を受けています。その性質を利用して、がん細胞に直接酸素を送っている「肝動脈」に詰め物をして、血管を塞ぎ、がん細胞が酸素を摂取できなくする方法が塞栓療法です。
具体的には、脚の付け根から肝動脈までカテーテルを入れ、ゼラチンスポンジなどの塞栓剤を注入して血流を止める方法と、油性の造影剤を動脈に流し込んで血流を止める方法があり、これによりがんへの酸素配給を絶ち、がんを死滅させます。
対象は3〜4cmのある程度の大きさのがんです。このくらいの大きさになるとがんに栄養を送る動脈の発達が十分になり、効果があらわれるからです。
しかし、血流を止めてしまうので一時的に肝機能障害が起きますので、患者さんの身体的負担が大きくなります。塞栓療法後は肝機能の回復を見ながら約2週間の入院が必要です。 |
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