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がん(悪性新生物)とは

乳がんB−治療
治療
乳がんの治療は主に外科療法-手術が行なわれます。
補助療法として、 
  • 抗がん剤による化学療法
  • ホルモン剤による内分泌療法
  • 局所治療の放射線療法
などが行なわれます。
しかし、がんの性質、進行状況により治療方法が限られてしまうので、その選択肢は広いものではありません。担当医とよく話し合いをしましょう。

(1) 外科療法
入院は手術の前日〜2、3日前から、手術後は10〜14日間くらいが一般的です。(病期などの個人差もあります。)
手術の時間は1時間半〜5時間程です。(医療機関により異なります。)
手術前にがん組織を採取して確認が必要な時もありますので、この時間を超えることもあります。
乳の断面図

●定型乳房切除術
どのような療法か 以前は乳がん手術の最も代表的な外科療法でした。
術後の胸の変形、腕のむくみ、しびれ、運動機能の低下などが問題となっていました。
現在では、がんがよほど進行して胸の筋肉まで達しない限り行われません。
切除部位
乳房
(乳腺)
○(全て)
大胸筋 ○(全て)
小胸筋 ○(全て)
脇下の
リンパ腺
○(可能な限り全て)
その他 しこりの上の皮膚を比較的広範囲切ります。

定型乳房切除術 断面 定型乳房切除術 正面

胸筋を切除するため手術後は肋骨があらわになってしまいます。

● 非定型乳房切除術
どのような療法か 現在、乳がんに対して最もよく行なわれている一般的な手術です。
腕のむくみが少なく、腕の上げ下げなどの運動の支障が少なくなります。
切除部位
乳房
(乳腺)
○(全て)
大胸筋 ×(残す)
小胸筋 ( 場合による )
脇下の
リンパ腺
○(可能な限り全て)
その他 乳房内側の肋軟骨の裏にあるリンパ節も切除します。

・小胸筋を残す場合
非定型乳房切除術 断面 小胸筋を残す場合 非定型乳房切除術 正面 小胸筋を残す場合

・小胸筋を切除する場合
非定型乳房切除術 断面 小胸筋を切除する場合 非定型乳房切除術 正面 小胸筋肉を切除する場合

● 拡大乳房切除術
どのような療法か 乳頭よりも内側にできた大きめのがんに対して行なわれます。
切除部位
乳房
(乳腺)
○(全て)
大胸筋 ○(全て)
小胸筋 ○(全て)
脇下の
リンパ腺
○(可能な限り全て)
その他 乳房内側の肋軟骨の裏にあるリンパ節も切除します。

拡大乳房切除術 断面 拡大乳房切除術 正面

肋軟骨の裏にあるリンパ節を切除するため肋軟骨も一部切除するので、定型乳房切除術よりも手術跡が目立ち、えぐられたようになってしまいます。

● 乳房温存術
どのような療法か 初期の早期の乳がんが対象となります。
最近では乳がんの手術の縮小化が進んでおり、乳房温存術が約半数をしめています。

この場合、術後に残った乳腺にがんが少し残っている可能性を考慮し、放射線治療などの補助療法が追加されます。これにより、乳房切除法と比較しても劣らないない治療成績が得られるようになりました。この放射線治療との組み合わせで「乳房温存療法」と称されます。
切除部位
乳房
(乳腺)

(乳がん周囲のみ、あるいは乳頭を中心とした乳房全体の1/4程度を切除)
大胸筋 ×(残す)
小胸筋 ×(残す)
脇下の
リンパ腺
○(下方部分のみ切除)

乳房温存術 断面 乳房温存術 正面

術後に残った乳腺組織に残存しているがん細胞がある可能性を考慮し、放射線を照射することが多くあります。

● 乳房再建術
どのような療法か がんの切除と同時に、あるいは外科療法後半年〜2年程度様子を見ながら期間をおいて乳房の再建できることがあります。外科手術により欠損した乳房部分に、自分の背中や腹部の脂肪と筋肉を移植し、乳房を復元する方法です。
しかし、組織をとってきた部分には、かなり大きな傷跡ができてしまいます。乳房再建術を希望される方は、担当の医師によく相談してみるとよいでしょう。
シリコンなどを胸の筋肉の下に入れる方法は以前盛んに用いられていましたが、人工異物による合併症が起こる事があります。
このような手術方法を行なうことにより、術後の患者さんの精神面・肉体面での落ち込みを最小限にし、生活の質の向上が得られるようなってきました。
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(2) 手術後の補助療法
乳がんでは実際に触れるしこりよりも広くがん細胞が存在していることがあります。(例えば、細い乳管内を這うようにがんが進展していることもあります)
乳房温存術の場合、目に見えない微小ながん細胞が残されていることを前提に考え、そのがん細胞を死滅させたり、増殖をさせないために、以下のような療法があげられます。
化学療法
進行した乳がんの場合には化学療法(抗がん剤)が行われ、がん細胞の増殖を抑えたり、破壊します。

外科療法でがんを取り除いても、微小ながん細胞が体内に残っていて再発することもありますので、がんのある部位を絞って治療を行なう外科療法や放射線療法とは異なり、全身を対象とした抗がん剤を用いた化学療法を行ないます。抗がん剤には、注射、点滴、内服などの形があります。

抗がん剤には、白血球減少、血小板減少などの血液障害や、吐き気、食欲不振などの胃腸障害などの副作用があります。抗がん剤はがん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えてしまうため、今後正常な細胞に作用しない抗がん剤が開発されることが期待されます。

現在では抗がん剤の副作用を最小限に抑える薬剤と併用して用いられています。

内分泌療法
閉経前と閉経後で使用される薬剤は異なりますが、ホルモン分泌を抑える内分泌療法があります。乳がんの場合、女性ホルモン‘エストロゲン’によってがん細胞の増殖が早まることがありますので、エストロゲンと反対の作用のあるホルモンを使用するなどして、これをコントロールします。

放射線療法
乳房温存術後はがん細胞が残っているものと考え、手術後は放射線照射をします。放射線はがん細胞を死滅させる効果があります。
しかし、放射線はがん細胞だけでなく正常な臓器にも影響を与えてしまうので、課題の残されている療法です。

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