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脳血管疾患とは

脳梗塞B−治療
TIAの治療治療
TIAの発症は、近い将来に本格的な脳梗塞が起こる可能性が高いことを示します。そのため、脳梗塞を防ぐ治療が重要となります。
@ 薬物療法
TIAを起こす血栓は血小板が主体となって作られて、これにより血管が詰まるので、この血小板の働き(怪我などで出血した場合、血液を固めて止血する働き)を抑える「抗血小板薬」が使われます。抗血小板薬には血小板を集まりにくくする働きがあります。

抗血小板薬の服用は基本的に長期になります。勝手に使用を中止したり、誤って大量に飲用しないよう(出血しやすくなったり、出血が止まらなくなったりします)、注意が必要です。
抗血小板薬の代表的なものに「アスピリン」があります。
A 血栓内膜切除術
手術で血栓やアテロームを取り除く「血栓内膜切除術」と呼ばれる外科的治療が行われることがあります。

頸動脈は脳に向かう途中で、内頸動脈と外頸動脈に分かれますが、この分岐部の周辺にアテローム性の動脈硬化ができることが多いものです。この部分が元の血管の内腔より70%以上狭くなっている場合に検討されます。

動脈硬化

手術により頸動脈にできた動脈硬化をそぎ取り、血管の内腔を広げることにより、脳への血流を改善し、頸動脈の血栓が脳の血管に詰まるのを防ぎます。

手術にかかる時間は約2時間で、入院は10日〜2週間必要になります。

しかし、全身の動脈硬化が解消されたわけではないので、術後も生活習慣に関わる病気の予防に努めることとなります。
B 生活習慣を見直す
動脈硬化は、高血圧・脂質異常症などの生活習慣に依存する病気に関係しているため、「塩分・脂質の少ない食事」や「適度な運動」を心がけ、動脈硬化を悪化させないようにするように心がけましょう。また降圧剤などの薬物療法が必要な場合もあるかもしれません。

血栓の予防には、水分をこまめに多くとって、血液が濃くならないようにすることが大切です。
特に睡眠中は脳梗塞が起こりやすいので、就寝前に水分をとるようにしましょう。
脳梗塞急性期の治療
脳梗塞の発症から1〜2週間を「急性期」といいます。
急性期の治療の目的は「血流の再開・改善」です。

急性期には発症から時間が経過すればするほど、多くの細胞が死んでいきます。梗塞部の周りには、機能は停止しているものの、まだ死んではいない「ペナンブラ」と呼ばれる細胞があります。(ペナンブラとは、英語で、日食や月食のときにできる「半陰影」を意味します)
ペナンブラは死にかけている細胞なので、放っておくと短時間のうちに死んでしまいます。それだけに放っておくと、脳の障害が重くなってしまいます。

したがって、発症後すぐに治療を行えば回復の度合いも大きくなりますので、発症後はできる限り早く専門医を受診して、脳や合併症に対する適切な治療を受けることが大切です。おかしいと思ったら、ためらわずに救急車を呼ぶなどして急いで専門医を受診しましょう。

また、脳梗塞を発症すると、脳がむくんだり、肺炎や心不全などの合併症を起こすなどして危険な状態に陥る場合があります。
つまり、急性期には、脳に対する治療と、合併症に対する治療が行われます。
ここでは、脳に対する治療に関して記述致します。
2-1 抗血栓療法

静脈に点滴をして、血流を改善して血栓ができるのを防ぎます。
血栓を溶かすことはできませんが、発症から48時間以内に行えば、病状の悪化や再発を抑えることができます。

@ 抗血小板療法

特徴 「抗血小板薬」を使い、血小板の動きを抑えて血栓ができるのを防ぎます。
主に、ラクナ梗塞・アテローム血栓性脳梗塞に対して行われます。

A 抗凝固療法
特徴 「抗凝固薬」を使って、血液中に「フィブリン」ができるのを防ぎ、血栓を予防します。
主に、アテローム血栓性脳梗塞に対して行われます。

2-2 脳保護療法

脳梗塞を起こすと、活性酸素が増えて脳細胞に害を与えることがわかったため、活性酸素の働きを抑えて脳細胞を守るために「遊離基捕捉薬(脳保護薬)」を用います。
発症後24時間以内に行えば、脳細胞を守り、後遺症を軽減することが可能です。

特徴 梗塞部の周辺には、活性酸素などの「フリーラジカル」と呼ばれる有害物質が発生し、脳細胞を破壊します。そこで「エダラボン」という薬を点滴し、フリーラジカルの働きを抑えて、「ペナンブラ」と呼ばれる死にかけている脳細胞を守ります。
脳梗塞のすべてのタイプが対象となります。

急性腎不全を起こす可能性があるので、重い腎臓病がある人には行われず、腎機能が低下している人やお年寄りでは注意が必要となります。

2-3 抗脳浮腫療法

むくみをとって周囲の脳細胞を守ります。
発症後24時間以内に行えば、脳細胞を守り、後遺症を軽減することが可能です。

特徴 脳梗塞が発症して1〜2日程すると、梗塞部の周辺にむくみが起こってきます。むくみが進むと正常な脳細胞が圧迫されて、病状が悪化する危険があります。そこで、脳のむくみをとる薬を点滴し、むくみの原因となる余分な水分を取り除き、正常な細胞を守ります。
主に、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞が対象となります。

2-4 血栓溶解療法

「t-PA(ティーピーエー・組織プラスミノーゲンアクチベーター)」という血栓溶解薬を用いた治療法です。
欧米では、すでに脳梗塞の急性期の治療法として行われており、大きな効果をあげています。

特徴 脳の血管に詰まった血栓で薬を溶かす方法です。

@ 腕の静脈に点滴する方法
迅速に行うことができますが、血栓に達するまで薬が薄められてしまうので、効果がやや弱くなります。

A 「カテーテル」と呼ばれる細い管を脳の動脈まで送り込み、血栓の手前で薬を投薬する方法
血栓を溶かす作用は強力ですが、準備に時間がかかり、すぐには行えません。

日本においては、現在t-PAを用いた血栓溶解療法には健康保険が適用されています。
脳梗塞慢性期の治療
特徴 この治療法はPTCAともいい、25年以上前から用いられています。

冠動脈造影検査の技術を応用した治療法で、実際の手技も冠動脈造影検査と同じです。

通常、足の付け根の大動脈からカテーテルを挿入し、冠動脈まで進め、細い針金をガイドワイヤを狭窄部の先端側まで進めます。そして、風船が先についた小さなカテーテルを狭窄部まで進め、風船をふくらませて狭窄した場所を広げます。

この方法は体への負担の程度が低いので、高齢者や他の合併症状を持つ方にも行うことが可能な上、短期間の入院で済みます。
体への負担が少ない方法ですが、施行者の30〜40%の方に3ヵ月以内に再び狭窄が見られることが最大の欠点です。

そこで、ステントという非常に小さくて薄い金属製の管を狭窄部位に入れ、内側から血管を支持して再狭窄を防止する方法が最近試見られるようになりました。再狭窄が約1〜2割に低下するため、世界的に用いられるようになってきています。

初期成功率は狭窄部位の形態などによって異なりますが、完全に閉塞した病変では約70%程度、熟練した医師が施行すれば平均90%以上です。

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