どうして血管がつまるのか
冠動脈がどうして閉塞するのか、まだ完全にはわかっていませんが、血管に放射線に反応する薬液を注入して冠動脈の状態を撮影する冠動脈造影や、病理解剖の結果などから以下の点が明らかになりました。
- 心筋梗塞の原因となった冠動脈には血栓が高い確率で存在すること
- 血栓が生じている部位では、動脈硬化した部分を覆っている膜に亀裂が生じていること
・ 組織に亀裂があると、以下のようなことが起こります。
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| そこを修復しようと、血小板をはじめとして、血液に含まれる血を凝固させる成分がたくさん集まってきます。 |
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| 過剰な反応が生じ、血栓が大きく成長して、完全閉塞となり・・・ |
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↓
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− 血栓形成の程度と引き起こされる症状の関係 −
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引き起こされる症状 |
| 軽度 |
症状が現れることなく修復されるため、無症状性の動脈硬化となる。 |
| 中程度 |
血管が不完全に閉塞して狭心症を起こす。 |
| 完全に閉塞 |
急性心筋梗塞を発症。 |
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危険因子について
冠動脈硬化の危険因子には、以下のようなものが挙げられます。
- 高血圧
- 高コレステロール血症
- 喫煙
- 糖尿病
- 高尿酸血症
- 年齢(老化)
- 家族歴
- 肥満
- ストレス、A型性格
- 運動不足
- 男性
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特に中年の男性や閉経以降の女性で複数の因子を持っている人は、定期的な検診を受けることが重要です。 |
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50歳未満の人の発症の男女比は10:1。女性は極めて低率。
閉経前の女性は、女性ホルモンであるエストロゲンによって動脈硬化が抑えられるためで、出産・育児という大切な時期に母体を守るためと考えられています。 |
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発症の誘因
動脈硬化したところの亀裂が急性心筋梗塞症の成因であると述べましたが、この亀裂がどうしてできるかはまだわかっていません。
発症前の患者さんの状態を調べますと、以下のようなことがわかります。
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| 心身の不摂生がこうじると、交感神経系の活動が優勢となりカテコラミン(カテコールアミン)と呼ばれるホルモンが必要以上に分泌される |
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| 亀裂を誘発したり、凝固能の亢進を招くと考えられます。 |
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発症時刻は、医療機関が休診している時間帯である早朝や夜間のことが多くあります。そのようなときに、すぐに連絡・相談できるかかりつけの医師や医療機関を日頃から確保しておくことが大切です。 |
狭心症と心筋梗塞
心臓は絶え間なく拍動しています。その心臓のポンプ作用の基となっているのは心筋細胞の収縮です。そのエネルギーは、心臓に栄養と酸素を届けている血管である冠動脈(冠状動脈)によって配給されています。
加齢によってこの冠動脈に動脈硬化が生じると血管の内腔が狭く小さくなり(狭小化)、血の流れが悪くなっていきます。
その結果、血液が足りない状態、つまり、心筋虚血となります。この障害が元の状態に戻ったり悪化したりする場合は、数分といった短時間の胸痛が生じます。これが狭心症です。
ところが完全に血行が途絶え、心筋細胞が壊死(細胞が死亡した状態)してしまうと、急性心筋梗塞症と呼ばれる状態となります。
心筋梗塞に至るまでの所要時間を、比較的人間に近いとされているブタで実験すると以下の数値が得られました。
| 血行を止めた時間 |
心筋細胞の壊死率 |
| 30分間 → |
11% |
| 1時間 → |
およそ80% |
| 2時間 → |
96% |
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しかしながら、枝分かれした血管を通り、回り道して血液が組織に達する経路が発達していれば、心筋梗塞に至るまでには時間がかかります。
人間は、動脈硬化による心筋虚血から、心筋梗塞に至るまで3〜6時間かかると予想されています。したがって、血管が閉塞したためにおこる発作の後、心筋が完全に壊死してしまうまでに、早く治療を開始することが非常に重要になるわけです。 |
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