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心疾患とは

心筋梗塞B−治療
治療
(1) 胸痛発作が生じた場合
可能な限り、早く治療を開始した方が予後は順調となります。
発作直後には危険な不整脈も生じやすいため、発作が起こったときは無理をせず、すぐに医療機関に連絡して、受診の際はできるだけ救急車を要請してください。
また、緊急時にすぐに相談できるかかりつけ医を日頃から確保したり、循環器の専門医がいる病院を調べておきましょう。

(2) 救急外来あるいは入院直後の治療
救命に必要な処置や緊急冠動脈造影の準備や一般的な治療とともに行われます。そして、専門医と担当医が相談し、その施設で治療するか専門施設へ転送するかの判断がなされます。

● 精神的ケア-不安の除去
厳しい胸痛のため、患者さんは、死の不安を感じていることが多いものです。

そのため、まず安心感を与えて安静を守って治療すれば、必ず社会復帰できる病気であることが説明されます。

● 疼痛の除去
痛みが強い場合には、塩酸モルヒネという鎮痛薬が使われます。

痛みによって血圧や脈拍が増えると、心臓にさらに負担がかかってしまうため、強い痛みは我慢せず鎮痛剤を用いる方がよいでしょう。

● 血行動態コントロールのための点滴
抗不整脈薬の使用の他に、疼痛除去、血圧・脈拍などといった血行動態のコントロールを早急に行う必要があるため、静脈から薬液を点滴注入します。

● 酸素吸入
低酸素状態は心筋梗塞の病態を悪化させることがあるので、少量の酸素吸入(2リットル/1分)が開始されます。

●心電図モニターによる観察
急性期には危険な不整脈が出現しやすいので、心電図を連続して観察することが重要です。
胸に電極がつけられ、遠隔モニターで観察されます。

●ニトログリセリンの舌下
ニトログリセリンを口に含むと胸痛が軽減したり、血管が再開通することもあります。
患者さんがニトログリセリンをもっている場合には、5分ごとに3錠まで使用します。
胸痛が消えない場合は、医療機関にすぐに連絡しましょう。

●ヘパリン(抗凝血薬)の静注
ヘパリンという血液を固まりにくくする抗凝血薬を入院直後に静脈から点滴を行います。
これにより、血栓で塞がれた冠動脈が再開通する確率が高くなります。


(3) 入院後の治療
急性期は、原則としてCCUと呼ばれる冠動脈疾患用集中治療室に収容され、梗塞した箇所の治療や後療法が実施されると同時に、合併症の予防や対応が行われます。

(4) 薬物療法
● 抗血栓薬(アスピリン・ヘパリン)
心筋梗塞後にヘパリンを使用することで、死亡率が21%、心筋梗塞の再発が30%も減少することが明らかになっています。また、アスピリンでも明らかに死亡率、再梗塞が減少しています。そのため、急性心筋梗塞を発症した場合には、ヘパリンとアスピリンが使用されます。

ACE(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
梗塞が大きい場合、徐々に心臓は拡大し慢性期にかけて心機能が低下してしまいます。この状態を左室再構築(リモデリング)といいます。ACEを使用すると、左室拡大が予防され、心機能の低下が抑えられます。突然死や再構築を予防すると言われ、予後の改善に期待されています。

● 硝酸薬
心筋梗塞の急性期には血圧を120ミリメートルHg以下に維持するため、静脈注射用の硝酸薬が使用されます。硝酸薬はまた、梗塞サイズの縮小、左室再構築防止、心破裂の予防が期待されています。

● カルシウム拮抗薬
梗塞後に狭心痛がある場合や、高血圧症を合併しているときに用いられます。塩酸ジルチアゼム(ヘルベッサー)やニフェジピン(アダラート)などが使われます。

● β遮断薬
禁忌がないことを条件に、欧米ではβ遮断薬の早期からの使用が推奨されています。これによって心破裂の予防、梗塞サイズの縮小、長期予後の改善が期待されます。日本では、副作用や冠攣縮(かんれんしゅく-冠動脈のけいれんのこと)の悪化を懸念して、あまり使用されていません。しかし、心不全がなく洞性頻脈が現れている場合では、少量の短時間作用型のβ遮断薬の内服が開始されます。

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