健康管理情報

手足のしびれ -気になるからだの危険信号-

2001年9月号
更新)
気になるからだの危険信号

ジンジン、ピリピリ、ゾワゾワなどというような手足のしびれは比較的よくある感覚です。
正座や腕枕でおこるしびれは一時的なものですが、何もしていないときにおこるしびれもあります。

今回は身近におこる「しびれ」がテーマです。

しびれはなぜ起こる?

しびれはどのようなときに起こるのでしょうか?

まず、人の神経が感覚として伝わる流れをたどってみましょう。

皮膚にある知覚神経で感じた刺激は、体のすみずみの神経を結ぶ連絡網である末梢神経を経て脊髄に入り、脊髄と末梢神経をつないでいる神経根から中枢神経に刺激が伝わり大脳に感覚として受け止められます。(下図参照)

この流れのどこかが阻害されると「しびれ」が起こります。(これが完全に阻害された時は、「しびれ」ではなく「まひ」になります。)

しびれチェック

手足にしびれを感じたときに、以下の点に注意して下さい。
しびれる部位、時間、特徴などにより原因となるものを特定するために役立ちます。

  1. どのような部位に、しびれがあるか?
  2. どのようなとき、しびれがあるか?
    (起床時、空腹時、運動時、食後、休息時など)
  3. どのような、しびれ方であるか?
    (電流が流れるような感じ、感覚が鈍ったような感じ、など)
  4. しびれる部位に特徴はないか?
    (左右対称である、末端だけにおこる、など)

しびれを引き起こす原因

しびれと関係のある神経はどのような部分なのか、調べてみましょう。

手足のしびれの症状を訴える人の中でもっとも多い原因が、末梢神経の障害が関連するものです。

しびれのある部位 体の片側の一部。
あるいは、左右対称の手足の末端。
しびれの特徴 ものが張り付いているようなしびれ
原因 糖尿病、リウマチ、ビタミン欠乏症(脚気など)、がんなどによる多発性神経炎()による。

 

多発性神経炎とは・・・

全身の末梢神経が阻害されている病気で症状は全身に現れます。
特に両手両足に起こりやすく、神経の細い指先や足の裏などに症状が出やすい。

逆に単発性神経炎といいますと、例えば、坐骨神経炎は坐骨神経上に阻害がおこった結果、その部位だけにしびれがおこるといったものです。

一瞬、電気が流れるような激し痛みを伴うしびれが特長です。

 

しびれのある部位 体を動かしたときに両手両足の全体がしびれます。
あるいは、両側の手足の一部がしびれます。初期は片側に見られますが、のちに左右対称にしびれが現れます。
しびれの特徴 一瞬、電気が流れるような激し痛みを伴うしびれ
原因 脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症()、血管障害、ビタミンの欠乏(特にB12)

変形性脊椎症とは・・・お年寄りに多い症状です。

  • 脊椎の老化→
    脊椎を構成する椎体という部分にとげができ、神経を刺激する。
  • 椎間板の老化→
    椎体間でクッション様の働きをしている椎間板という軟骨は、老化によりすり減り、水分が失なわれ硬くなる。椎体の位置がずれて痛みが起こる。


しびれの症状がでる中でも最も危険な原因です。

しびれのある部位 主に、片手、片足などといった体の片側。
しびれの特徴 起床時、運動中など、数分というような短時間、感覚が鈍くなるようなしびれ
原因 脳出血、脳梗塞、脳腫瘍

脳の血管がつまったり、けいれんを起こしたりする「一過性虚血発作」が原因であることが多く、脳血栓症、脳塞栓症、脳腫瘍の前兆とも考えられます。
また、お年寄りの場合は、脳血栓症の群発症状()ということも考えられます。

脳血栓症の群発症状とは・・・

栓により完全に血管が詰まった訳ではなく、小さな血栓によりわずかに血流が悪くなった時に軽い前兆発作としてしびれが起こります。
血管が完全につまると、手足に麻痺が起こってしまいます。
しびれを感じたときは必ず検査を受けましょう。

しびれを感じたら…

しびれの治療は、しびれを緩和させる治療と、しびれの原因となっている病気の治療を平行して行うことになります。

しびれは全身の病気が複雑に関係しておこるため原因が特定されにくいので、治療が長期にわたることもあります。

大きな病気がしびれを引き起こしていることもあるので、症状を感じたらすみやかに神経内科など専門医の診察を受けましょう。

男性に多い「肘部管症候群」

幼少時の肘の骨折を完治させていなかったり(30歳前後に発症が多い)、②加齢や肘の酷使により肘の骨が変形して(50歳代の発症が多い)、肘の内側にある尺骨神経が圧迫され、この神経がつかさどる薬指の小指寄りの半分と小指にしびれや知覚障害が起こります。

①の場合、患部の安静と薬物用法が中心です。②の場合は手術が必要となります。
進行すると完治の難しい病気です。早めに整形外科を受診しましょう。

女性に多い「手根管症候群」

手のひらの付け根部分を横断するような形で張っている横手根靭帯をくぐるように(この部分を手根管といいます)、正中神経という神経(親指・人さし指・中指の3本と、薬指の半分の知覚と、親指の付け根部分の筋肉を支配しています)が通っています。

妊娠・出産期や更年期のホルモンの乱れ手の使いすぎなどにより、この神経が圧迫されて手の指にしびれが起こります。急性期には痛みも伴い、進行すると細かい作業が難しくなります。

患部を安静にすることが大切ですが、薬物療法による炎症緩和が一般的な治療法です。

来月のテーマは、「手足のふるえ -気になるからだの危険信号-」です。