健康管理情報

睡眠と生活リズム ~ストレス解消法~

2010年1月号
更新)
ストレス解消法
あけましておめでとうございます。
皆様が今年も健康に過ごせますように・・・。

現代はストレス社会といわれており、仕事や人間関係、騒音、経済情勢の変化など私達の周りには、ストレスの原因となるものがたくさんあります。ストレスと上手に付き合っていくには、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。
そこで、今年はさまざまなストレス解消法を紹介していきます。

なぜ睡眠が大切なの?

現代社会ではとにかく睡眠不足になりがちです。
よく眠ることは、疲労を回復するうえで不可欠です。睡眠を十分にとらないでいると、脳の機能が低下してストレスに弱くなり、また集中力がなくなって日常生活にも支障が生じてしまいます。

そもそも睡眠は1日フル回転で働いてくれた脳を、ゆっくり休ませるために必要な行為です。
したがって、睡眠時間を極端に少なくすると脳の働きが乱れてしまい、自律神経やホルモンのバランスも乱れ、心身に不調をきたします。もともとストレスと戦うためのホルモン(副腎皮質ホルモン)は、朝に最も多く分泌され、昼間から夜にかけて次第に少なくなり、深夜には最低になります。
このような生体リズムを考えると、夜遅くまで起きていることは、自らストレスに弱い体を作っているようなものです。

 

質のいい睡眠とは?

睡眠の質は、時間よりも深さで決まるといわれます。睡眠の深さは普通4段階に分けられます。
このうち段階1はレム睡眠、2、3、4はノンレム睡眠と分類され、1回の眠りの中でその深さは周期的に変化します。
私たちは約90分周期でこのレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返し、1つの睡眠を作り上げています。

眠りの総量は、この眠りの深さと時間によって決まるといわれ、多少睡眠時間が短くても、眠りが深ければ「たっぷり眠った」ことになるのです。
一度の睡眠中に深い眠りが規則的に訪れるのが質の良い眠りです。

 

段階1:レム睡眠

浅い眠りの時、大脳皮質はまだ興奮しています。そのかわり、体はリラックスしています。
そんな状態の人をよく観察すると、寝返りひとつ打たずに精神の活動を表す瞳だけが動いているのが分かります。
このような状態をレム睡眠といい、体の疲れをとるには欠かせない眠りです。

段階2・3・4:ノンレム睡眠

深い眠りの時は、体はそれほどリラックスしていませんが、大脳皮質の活動が鎮まって精神的なクールダウンが行われています。
これがノンレム睡眠です。

この2種類の眠りがゆったりと交互に訪れるのが、精神と肉体のリラックスとリフレッシュには重要な意味を持っています。

大切なのは生体リズム

睡眠と覚せいは、体の中にある生体リズムによってコントロールされています。生体リズムの異常は不眠の原因になり、レム睡眠とノンレム睡眠の周期にも生体リズムが関与していることが分かってきています。
つまり、睡眠の質を左右するのは、生体リズムなのです。

★生体リズムを整える5つのポイント

1.休日は寝すぎない

平日には起床・就寝時間を守ることができても、休日はつい寝すぎてしまうことがあります。
休日に生活リズムの乱れがあると、休日明けの出勤日にすっきり目覚めることができず、疲れを招くこともあります。休日も平日と同じ起床・就寝時間を守りましょう。

2.満腹の状態で寝ない

朝食や昼食は毎日だいたい同じ時間にとっていても、夕食は残業などで時間がまちまちになってしまうことがあります。
しかし、深夜に急いで夕食を食べ、満腹のまま寝てしまうと、質のよい睡眠を得られなくなってしまいます。

3.寝る前のカフェイン、アルコールは控える

カフェインは覚せい作用が強いため、よく眠れない人は夜遅くの飲用は控えたほうが良いでしょう。また、アルコールを「寝酒」として利用している方もいますが、アルコールを飲むと寝つきはよくなりますが、その一方で眠りを浅くしてしまい、翌日疲れやすくなります。

4.太陽の光を浴びる

電気を消して部屋を真っ暗にすると眠気が訪れるのは、睡眠ホルモンともいわれる「メラトニン」が分泌されるためです。
このホルモンの分泌は光と関係しているため、暗くなると分泌が高まりますが、逆に明るくなると分泌が抑えられます。
朝すっきり目覚めるためには、まずカーテンを開け、太陽の光を全身に浴びて眠気を解消することが大切です。

5.朝食を取る

朝食は体にエネルギーを与え、活動モードに切り替えるために必要なものです。
特に、朝はすぐにエネルギーに変換されるパンやご飯などの炭水化物と、糖分をたっぷり含む果物をエネルギー補給のために取りましょう。

コラム: ぐっすり眠るための寝具の工夫

快適にぐっすり眠るためには、心地よさを得られる寝具が必要です。

敷き布団

柔らかい布団で眠ると、背中やお尻が重たく、脚やウエストなどが軽いので、人間の自然な立姿勢とは異なった不自然な寝姿勢となります。もちろん固すぎても、背中とお尻だけが布団に当たり、腰が浮いてしまいます。
新しく購入するなら、背骨のS字カーブが2~3cmに保てる「適度な固さ」の布団を選びましょう。

頭を枕にのせた時、敷き布団から2~3cmで、低くて柔らかめの方が安眠しやすい事が多いそうです。しかし枕は好みが大きく分かれることも多いので、自分が安眠できる枕を選びましょう。

来月のテーマは、「昼寝 ~ストレス解消法~」です。