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健康管理情報

2011年9月号

おいしさの秘密 〜温度〜


今月は、おいしさを引き出す温度に注目します。

<おいしさと温度の関係>
例えば、同じ茶葉を使って、表示通りの時間で抽出したはずなのに、自分でいれた緑茶と他人がいれた緑茶とでは、おいしさが全く違ったので驚いた、という経験をしたことはありませんか?
この違いには、茶葉に注いだ湯の温度が深く関係しています。
このような例をはじめ、食品には、温度によっておいしさが大きく変化するものがあります。

<緑茶>
緑茶の茶葉を急須に入れたら、沸騰したての湯を注いでいませんか?
緑茶をいれる時の湯の温度は、高いほどよいというものではありません。
緑茶とは、茶の若葉を摘み取って蒸気で蒸し、もむなどの作業を経て発酵させずに乾燥させたものです。ここでは、緑茶の一種である煎茶と玉露についてみていきましょう。

煎茶は、一般的に飲まれている緑茶であり、うま味成分テアニンや渋味成分タンニンの含有量はそれほど多くありませんが、渋味成分タンニンは、約80℃以上の湯に多く溶け出すという特徴があります。
そこで、湯を沸騰させたら、まずは湯のみに注ぎ、湯のみが温まったら、茶葉を入れた急須に注ぐようにしてみましょう。この時の湯の温度は、煎茶の渋味と香りがほどよく溶け出す約70〜80℃になっていると考えられますので、このまま 1分30秒〜2分程度待ってから味わうとよいでしょう。

玉露は、煎茶の優良品のことで、茶の新芽に覆いをかけ、日照を制限して育てた若葉を用います。玉露は、うま味成分テアニンや渋味成分タンニンの含有量が多いため、沸騰したての湯を注ぐと渋味が強く出てしまいます。
そこで、玉露をいれる時は、先述の煎茶をいれる時の方法を参考にしてさらに冷ました約50〜60℃の湯を注ぎ、2分30秒〜3分程度待つようにしましょう。そうすれば、うま味成分テアニンが十分に溶け出すため、渋味が少なくうま味が多い玉露本来の味を堪能することができます。
緑茶

<紅茶>

紅茶の茶葉は、あらかじめ温めておいたティーポットに入れて、沸騰直後の湯を注ぐようにしましょう。
紅茶とは、茶の若葉を摘み取り、低温で長く発酵させるなどの作業を経て乾燥させたものです。

紅茶にも含まれるうま味成分テアニンは、沸騰直後の湯でなくても十分に溶け出しますが、同時に紅茶本来の豊かな香りや渋味を引き出すためには、低温の湯では力不足です。
そこで、紅茶をいれる時は、たっぷりの湯を沸騰させ続け、そこから取った湯をまずはティーポットとカップに注ぎます。そして、それらが温まったら注いだ湯を捨てて、ティーポットに茶葉を入れてから、沸騰させ続けていた湯をあらためて注ぎ、すぐに蓋をして蒸らします。蒸らす時間は、茶葉が細かいブロークンタイプなら約2〜3分、茶葉が大きいリーフタイプなら3〜4分、ティーバッグなら1分以上が目安です。
なお、ある調査によると、カップ2〜3杯の紅茶に相当する50mgのテアニンを摂取した約1〜2時間後の脳をみると、リラックス状態を示すα波が顕著に出現することがわかっています。
紅茶

<鰹だし>
たっぷりの鰹節を片手でつかみ、グラグラ煮立った鍋の湯にパッと落とす…鰹だしといえば、このような場面を想像するかもしれませんが、鰹節に含まれるうま味成分イノシン酸が最もよく溶け出す温度は約85℃です。そこで、湯が沸騰したら火を止めて、1〜2分程度待ってから鰹節を入れるようにするとよいでしょう。
鰹節 なべ

<昆布だし>
昆布だしといえば、鍋に入れた水へ浸してから加熱し始めますが、昆布に含まれるうま味成分グルタミン酸が最もよく溶け出す温度は約60℃です。加熱し続けているうちに鍋底から泡が1〜2個あがってきたら、昆布を取り出しましょう。昆布を入れたまま沸騰させると、ぬめりや臭い、苦味などの成分まで溶け出してしまいますので、注意が必要です。
なお、昆布だしは、約60℃の温度を保ったまま40分程度加熱すると、極限まで溶け出した至高のうま味を味わうことができます。水筒タイプの魔法ビンなどを利用して、一度、試してみてはいかがでしょうか。
こんぶ なべ

<ごはん>

ご飯は炊き立てアツアツの状態ではなく、電気炊飯器で炊いたご飯を茶碗によそって食べ始める頃の約55〜60℃の状態が最もおいしく感じられることがわかっています。逆に、冷えたご飯はデンプンの性質により、硬くボソボソとしてしまいます。
8月号 おいしさの秘密 〜温度〜
ごはん

<パスタ>
茹でたパスタを皿に盛ってから、温めておいたソースをかけていませんか?
これでは、ソースのなじみも口当たりも悪くなってしまいます。

パスタを茹でると、デンプンが水分を吸って糊状になることで、デンプン同士の間に隙間ができます。この茹でたての熱い状態でソースと合わせると、パスタとソースが絶妙に絡み合い、最高の口当たりをつくり出すことができます。

そこで、パスタ料理を作る時は、大鍋でパスタを茹で始めると同時に、フライパンでソースを作って温め続け、そのフライパンへ、硬めに茹で上げたパスタを入れて合わせるようにします。
例えば、幅1.7mmで茹で時間9分の細長いパスタを茹でる場合、7分45秒茹でたら引き上げ、用意しておいたソースとパスタを合わせて加熱し、茹で時間ちょうどの9分で火を止め、盛り付けるとよいでしょう。
パスタ フライパン

次回は、おいしさの秘密 〜見た目、音〜 です。


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