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学会参加報告 <日本健康教育学会>

2019.07.19
学会関連

日本健康教育学会 に参加いたしました

学会名 日本健康教育学会
テーマ 健康教育・ヘルスプロモーション
日 程 2019年6月29日(土)、30(日)
会 場 東京大学本郷キャンパス
参加者 日本成人病予防協会 専務理事 佐野 虎、学術部 山田 ひかる

発表や議論の主な内容

  • 口腔機能と生活習慣病のリスク
    歯の数が少ないほど、心疾患や動脈硬化、認知症などの生活習慣病のリスクが上がり、寿命も短くなることが分かった。口腔機能の低下により、栄養バランスに偏りが出る事が関係する。義歯を付けることでリスク回避が期待できる。
  • 健康格差縮小のための健康教育
    健康教育では、健康を損ねている人々へのアプローチが出来ていないことが問題である。健診に来ない人ほど健康に問題があり、健康教育をすればするほど健康格差が生まれる可能性がある。
  • 健康日本21(第二次)中間評価
    2013年から国民健康運動の健康日本21(第二次)がスタート。
    【身体活動】
    歩数、運動習慣ともに変化なし。各世代、目標歩数に対し約1000歩足りていない状況。研究の結果、都心ほど歩数が多い。電車の利用などで歩くためと考えられる。歩数が多い都市ほど認知症のリスクが下がる傾向にある。スマートフォンの歩数データより、世界的に見れば日本は歩数の多い国である。長寿の秘訣の1と考えられる。
    【栄養・食生活】
    食塩摂取量の減少がみられた。企業の減塩食品への取り組みが大きく影響したと考えられる。食塩摂取量の減少の第一の目的は、循環器疾患のリスクファクターである高血圧を予防することにある。
    肥満者の割合は変化なし。40〜50代男性で最も肥満率は高く30%を超えている。
    【喫煙・飲酒】
    喫煙率は変化なし。目標は12%だが、平成29年の調査では、男性29.4%、女性7.2%、計17.7%。ここ50年で見れば大幅に減少しているが、ここ10年ほどは変わっていない。近年は女性の飲酒率が増えている。
  • 高齢者の健康
    高齢化の進行に伴い認知症患者は2025年には700万に達すると推計される。運動をグループに所属し行う人ほど認知機能が衰えないことが分かってきた。認知機能を保つためには運動とコミュニケーションが重要である。ダンスや太極拳などが有効性が高い。
    高齢者の約30%に不眠症状があり、改善のためには低強度の運動を毎日行うことが効果的である。

★「0次予防」:個人の健康増進を図る前に、その個人が生活している環境を改善するという考え方。
(例:企業の介入による食塩摂取量減少)

学会写真 学会写真
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