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梅雨入り直前!眠りのメカニズムと睡眠の質を高めるポイント

2025年6月
ストレス解消法

梅雨の時期、寝苦しさを感じることはありませんか?今回は、梅雨入り直前に知っておきたい「眠りのメカニズム」や「睡眠の質を高めるポイント」について解説します。

睡眠の質とは

質のよい睡眠とは、スムーズに寝つくことができ、目覚めた時にスッキリ感が得られる睡眠のことをいいます。単純に睡眠時間が長いかどうかではなく、適切な睡眠時間を確保し、規則正しい睡眠と覚醒のリズムを保つことができているか、寝起きや寝つきの良さ、熟眠感などで計られます。

眠りのメカニズムとは~どうして眠たくなるの?~

眠りのメカニズムは、「疲労」と「体内時計」によって行われています。

疲労

日中、活動を続けていると脳や身体に疲労が少しずつ蓄積します。そして、その疲労を解消するために眠気を誘発します。睡眠中は、脳を休ませる「ノンレム睡眠」と身体を休ませる「レム睡眠」が繰り返し起こります。一般的な睡眠は眠りの深いノンレム睡眠から入り、眠りの浅いレム睡眠へと移ります。そして、眠ることで、その睡眠欲求は減少し、全身が回復して覚醒へと導きます。

体内時計

就寝時間の1~2時間前頃になると、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されることで覚醒の力を制御し、睡眠へと導きます。そして、朝起きて、朝日を浴びることでメラトニンの分泌を抑え、体内時計がリセットされ、覚醒を促すホルモンが分泌されスッキリと目覚めに導きます。

睡眠の質を下げる要因とは~梅雨の時期、寝苦しさを感じるのはなぜ?~

日照時間の減少

雨や曇りの日が続くと、日中でも日差しが遮られてしまいます。日照時間が減少し、日光に当たる時間が少なくなると、睡眠に関わるホルモンのメラトニンをつくる材料であるセロトニンの分泌量が減り、睡眠の質低下を招きやすくなります。

湿度や気温の変化

眠りに最適な環境は、室温が26℃前後で、湿度は50~60%が理想的といわれています。70%を超えると、蒸れて寝苦しくなるため、湿度の高い梅雨の時期は、睡眠中に起きてしまう中途覚醒が増えやすくなります。
本来、私たちは暑さを感じ体温を下げるためには、汗をかき、その汗が蒸発する際に周りの熱を放熱しようとします。ところが、梅雨の時期は湿度も気温も高く、空気中に水分を飛ばせず、汗がなかなか乾かずに熱が放出されないため、就寝中も体温調整がうまくいかなくなり、寝苦しさにつながってしまいます。

自律神経の乱れ

梅雨の時期は、湿度や気温だけでなく、気圧にも変化が起こります。長期間にわたって低気圧の状態が続くと、身体は副交感神経が優位に働くようになります。副交感神経は、緊張をほぐして身体を休ませる神経のため、身体がお休みモードになって、「だるい」「やる気が出ない」と感じてしまいます。
このように、湿度や気温の変化や気圧の変化によって、自律神経のバランスが崩れると、睡眠リズムを司るメラトニンや精神を安定させるセロトニンの分泌量が減り、気分が落ち込むなど精神面へも影響を与えることがあります。

睡眠の質を落とさない!睡眠の質を高める行動

規則正しい生活習慣を意識しましょう

朝日には体内時計をリセットする効果やセロトニンの分泌が高まります。毎日同じ時間に起き、カーテンを開けて朝日を浴びるようにしましょう。食事では、セロトニンの材料となるトリプトファンを意識して3食バランスよく食べるのがポイントです。朝食をしっかりと食べ、夕食は寝る3時間前までには済ませるようにしましょう。

雨の日でも運動をしましょう

雨で運動不足になりがちですが、運動をすることで外気温への適応力が高まります。また、運動をプラスすることはセロトニンの分泌を高めることにも繋がります。少しの時間でもよいので、室内でもできる運動を取り入れるようにしましょう。例えば、「歯磨きをしながら両かかと上げを行う」「寝る前や寝起きにストレッチを行う」などのながら運動でも、凝り固まった筋肉を伸ばすことで血流がよくなり、自律神経が整いやすくなります。また、運動によって体力が消耗されると、身体の疲労へとつながり、眠りが促されます。

入浴は、シャワーだけで済ませず、湯舟に浸かろう

暑さや湿気などの不快感から湯舟には浸からずシャワーのみで済ませると、深部体温が十分に上がりきらないため、寝入りが悪くなるといわれています。就寝1~2時間前にぬるめの温度(38℃程度)で10~20分浸かるとよいでしょう。その後体温が下がること、眠気が誘発され寝入りやすくなったり、副交感神経が活性化し、全身の緊張がほぐれてリラックス状態になります。
また、湯舟に浸かると適度な水圧が足などにかかり、血流がよくなり、疲労物質の排泄が促され、疲労回復にも繋がります。

睡眠環境を整えましょう

冷房機器や除湿機、吸湿性のある寝具を活用して、快適に眠れる環境を整えましょう。室温は26℃前後、湿度は50~60%程度で、暗く静かな環境になるようにしましょう。服装は、吸湿性や通気性に優れた綿や麻、リネン素材などさらっと肌触りのよいものを選びましょう。
また、リビングや寝室で白や青みのある光は脳を刺激するため覚醒につながるといわれています。就寝1~2時間前は、間接照明やオレンジ色などの照明にし、体を眠るモードに切り替えていきましょう。

見直そう!その行動、睡眠の質を下げる原因になっているかも?

寝る直前の歯磨き

歯磨きには、リフレッシュ効果があり、歯茎を刺激すると睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量を抑制してしまうといわれています。寝る1時間前に済ませるようにしましょう。

夕方以降のカフェイン飲料摂取

夕方以降に、覚醒作用のあるカフェインを含むコーヒーなどを飲むと、就寝前に影響を及ぼす可能性があります。カフェインの効果は、個人差はありますが摂取後30~2時間程度で最大の血中濃度となり、4時間程度持続するといわれ、脳を刺激し覚醒を促す作用があります。さらに、利尿作用があるため、中途覚醒につながる可能性もあります。夕方以降はカフェイン飲料の摂取は控えるようにしましょう。