生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
日本を代表する高名なミステリー作家が、大腸がんのため68歳という若さで亡くなられたというニュースが世間を駆け巡りました。それと同時に、このニュースをきっかけに「大腸がん」という病気の存在が、急に身近な脅威として浮上した方も少なくないのではないでしょうか。
特に、仕事や家庭に追われて自分の健康を後回しにしがちな40代・50代にとって、今回の訃報は決して他人事ではありません。
そこで今回は、この『大腸がん』という病気の基礎知識から、見逃せない症状、今すぐできる具体的なアクションについて分かりやすく解説していきます。

大腸がんは、長さ約1.5~2mの大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生するがんです。日本では非常に身近な病気であり、国立がん研究センターの統計によると、男女合わせた全体の罹患数(りかんすう)(がんになる人の数)で第1位を占めています。さらに、「死亡数」では肺がんに次いで第2位となっています。
主な原因としては、食生活の欧米化による肉類の過剰摂取や長時間のデスクワークによる運動不足、飲酒、喫煙、そして、過剰なストレスなどが挙げられます。まさに、日々忙しく生きる現代人にとって、誰がなってもおかしくない身近な病気なのです。

大腸がんの最も厄介な点は、「初期の自覚症状がほとんどない」ことにあります。お腹の痛みや違和感を覚えることもなく、体の中で静かに進行していくのです。そして、進行してくると以下のようなサイン(症状)が現れ始めます。
忙しさの中で、このような不調をつい見逃していませんか。しかし、明らかな症状が出た段階では、すでに病状が進行しているケースも少なくありません。「痛みがないから大丈夫」という自己判断こそが、最大の盲点になってしまうこともあります。
大腸がんという病気は、実は【年齢】と非常に深い関係にあります。がんのデータや統計をひも解いてみると、大腸がんの発症リスクは、40代から明確に上昇し始めるというはっきりとした特徴を持っているのです。さらに、50代60代と年を重ねるにつれて、その罹患率はさらに急激に上昇していきます。
40代、50代といえば、職場でも家庭でも責任が重くなり、自分の健康をつい後回しにしがちな世代ではないでしょうか。「ただの疲れだろう」や「若い頃と同じように動けるはず」という過信や、日々の忙しさに紛れて体からのサインを見逃してしまいがちな年代だからこそ、この現実にしっかりと目を向ける必要があるのです 。
ここまで読んで、少し不安になってしまった方もいるかもしれませんが、過度に恐れる必要はありません。大腸がんは、早期に見つけることができれば、非常に高い確率で治る病気でもあります。
そのために、私たちが今すぐできる簡単なアクション、それが健康診断でお馴染みの年1回の『便潜血検査(検便)』です。この一見すると手軽な検査は、目に見えない微量の出血を見つけることで、大腸がんから命を守る高い効果が認められています。もしも、検査で要精密検査や陽性が出た場合には、放置せず次のステップである『大腸内視鏡検査(大腸カメラ)』を受けるようにしましょう。この検査こそが、文字通りこれからの健康を守る最大の分岐点となるかもしれません。

何をするにも体が資本です。大腸がんは、早期発見さえできれば決して怖い病気ではありません。「あの時検査を受けておけばよかった」と後悔しないためにも、まずは今年の『検便』をしっかりと受けることから、あなたの未来を守る準備を始めてみませんか?