生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会

冬になると無性にチョコレートが食べたくなる。そんな経験はありませんか?寒い日に温かい飲み物と一緒に食べるチョコレートは、なぜあんなにも美味しく感じるのでしょう。
今回は、冬にチョコレートが食べたくなる理由を紐解き、健康的に楽しむための上手な選び方や食べ方のポイントを解説します。
実は、冬にチョコレートが美味しく感じられるのには、いくつか理由があります。


チョコレートの主成分であるココアバターは、20℃前後でゆっくりと溶けはじめ、25℃を超えると急激に柔らかくなるという特徴があります。
この「溶ける時間」こそが、冬に美味しいと感じる最大の理由ともいえます。夏は気温が高く、食べる前から溶けやすく、風味や食感が損なわれがちです。
一方、冬は気温が低く、チョコレートを保管するのに理想的な温度帯で品質が保たれやすくなります。そのため、口に入れた瞬間はしっかりと形がありながらも、口の中でゆっくりと心地よく溶けていくため、カカオの香りやコクをはっきりと感じることができるのです。
味覚は、気温や体調などに大きく影響を受けます。寒い時期は、気温低下や乾燥により味覚感度が鈍くなり、普段よりも濃い味やこっくりとした味を求める傾向にあります。
また、冬は外気温が低く体温が下がりやすいため、体温を一定に保つために、自然とエネルギーの吸収に効率の良い、甘いものを欲するのです。そして、チョコレートに含まれる甘さは体にとって心地よく、冬の日照不足による気分の落ち込みを補うのにも最適なのかもしれません。 
冬は体温を一定に保つために他の季節に比べ、より多くのエネルギーを消費します。そして、本能的に効率のよいエネルギー源を求めるのです。その点、チョコレートは糖質と脂質の両方を含み、少量でも素早くエネルギー補給ができるため、理にもかなっているといえます。
甘いお菓子というイメージの強いチョコレートですが、実は健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれています。ここでは、特に注目されている代表的な成分について紹介します。
チョコレートの色や苦味、渋みのもととなる成分で、老化や動脈硬化などの原因となる活性酸素を除去する「抗酸化作用」があります。寒さや乾燥でストレスを受けやすい冬の体を内側からサポートしてくれる栄養素です。
ポリフェノールの摂取目安量は、1日あたり1000~1500㎎程度とされています。チョコレート以外にも、コーヒーや赤ワインなどにも含まれているため、過剰摂取には注意が必要です。摂りすぎると鉄分の吸収を阻害する可能性があります。
特に高カカオチョコレートには、不溶性食物繊維のリグニンや難消化性タンパク質のカカオプロテインが含まれています。リグニンは、水分を吸収して便を柔らかくし、便の量を増やすことで排便を促します。一方、カカオプロテインは、消化されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える効果が期待されています。
カカオ特有の成分の一つで、血管を拡げて血流を促し、手足の先まで体温を維持する働きがあります。また、脳内のセロトニンに働きかけ、高ぶった気分を落ち着かせたり、過剰な食欲を抑えたりする作用が期待できます。また、心身のストレスの軽減にも役立つ成分です。
チョコレートの摂取量は明確には決められていません。一般的なチョコレートは1/3が脂質で、半分以上が糖質でできているため1日に食べる量を決めることが大切です。食べ過ぎ防止のために、個包装タイプを活用するのがおすすめ!厚生労働省では、嗜好品などの菓子類の目安は1日200㎉以下とされています。そのため、チョコレート意外にもお菓子などの間食を摂る場合には、100~150㎉程度に抑えてみましょう。
<約100㎉のチョコレートの目安>
・一般的な板チョコ(ミルク):3~4かけら(約18~20g)
・高カカオ(70%以上):3~5枚(約15~20g)
・生チョコ:2粒(約15~20g)
・アーモンドチョコ:3~4粒(約17~18g)
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、抗酸化作用があり、高血圧や生活習慣病予防などにつながるといわれています。そのため、健康効果を最大限に高めたい場合には、カカオ成分が70%以上のものがおすすめです。ミルクチョコレートと比較すると、砂糖が少ないため甘みが控えめで、カカオ本来の味わいが楽しむことができます。
チョコレートを食べる場合には、食事の20~30分前に少量(5~20g)を食べるのがおすすめ。カカオポリフェノールや食物繊維が糖の吸収を穏やかにし、脂肪の蓄積を抑制する効果が期待できます。さらに、満腹中枢が刺激されて、食べ過ぎを防いでくれる効果も期待できます。さらに、夜間は、体脂肪を溜め込む働きが強くなるため、日中の活動時間帯の小腹を落ち着かせたい時に食べるのがよいでしょう。
チョコレートは脂質が多いため、冷蔵庫から出したばかりだと硬く、カカオ本来の香りや味わいを楽しむことができません。夏は5~10分、冬は、食べる15~30分前に室温に出しておくのがおすすめです。常温に戻すことで少量であっても、カカオの風味が存分に味わえて、なおかつ口溶けも滑らかになります。
チョコレートはカカオ由来の脂質が多く含まれているため、高カカオチョコレートであっても食べ過ぎには注意しましょう。
また、ホワイトチョコレートは、原料からカカオマスが取り除かれているため、ダークチョコレートのようなカカオポリフェノールによる健康効果は期待できず、砂糖と脂質が多くなりがちであるため、注意が必要です。しかし、カカオバター由来の不飽和脂肪酸であるオレイン酸が含まれます。オレイン酸には、心疾患のリスク低減効果が期待されるため、少量であれば問題ないと考えられます。