健康管理情報

こころのお医者さんへのかかり方 ~こころがもたらすからだの病気~

2005年4月号
更新)
こころがもたらすからだの病気

こころのお医者さんについて

ストレス社会に暮らす現代人にとって、こころの病気は身近な問題です。しかし、こころの問題で悩んでいる人の多くは、ひとり悶々と過ごしているケースが少なくありません。
憂うつな気分や不安な気持ちを感じてつらくなったとき、あるいは、「こんなことを考えてしまうのは、いつもの自分ではない」と悩んでいるときに、頼りになるのがこころのお医者さんです。
では、こころのお医者さんには、どのようなものがあるのでしょうか。

「心療内科」や「心身医学科」、「心療科」、「精神科」、「精神神経科」など、さまざまな名前があります。いずれも心や精神という文字がついているので、こころの病気を診察してくれると分かりますが、これらは全て同じではありません。

こころのお医者さんの分類

こころのお医者さんは大きく2つに分類されます。

① 「心療内科・心身医学科・心療科」

同じ専門科なのですが、施設によって名称が異なります。
「内科」という文字がつくことから分かるように、からだの様子を診ます。
ただし、通常の内科とは違います。ストレスが関連して起こるこころやからだに現れる困った症状が対象となります。具体的に、うつ病、神経症、心身症、摂食障害などが対象となります。

② 「精神科・精神神経科」

同じ専門科なのですが、施設によって名称が異なります。
何らかの脳の障害によって、通常の精神的活動に支障をきたしている病気を治療します。具体的に、認知症、てんかん、統合失調症などが対象となります。
しかし、ストレスも脳に影響を与えることから、うつ病や神経症なども治療します。

かかりつけ医を選ぶポイント

最初から病名がはっきりしていることはありません。まずは、「とりあえず、相談してみよう!」という気持ちで、どちらかの診療科を早めに訪れることが近道です。

気になる症状が現れたら、どちらを受診したらよいの!?
  • 家から近く、近所の評判がよい。
  • 気軽に相談でき、よく話を聞いてくれる。
  • 病気や治療、薬などについて、分かりやすく説明をしてくれる。
  • 必要に応じて、適切な専門医を紹介してくれる。
診察時のこころ構え

病院で診察を受けるとき、まずは問診から始まりますね。問診は、私たちのこころと身体の健康状態を医師に把握してもらうための大切な情報源です。特に、こころの状態は聴診器やレントゲン、血液検査でうかがい知ることはできません。いろいろな心理テストもありますが、その結果を生かすためにも問診でより詳しく十分な情報を伝えることが大切なのです。

何を伝えたらいいの!?
  • なぜ、病院を訪れたのか。
    自覚症状が
    「①いつ、②どのような症状が、③どのように起こり、④どのような経過をたどっているか」
    というポイントを押さえましょう。
  • 以前にもこころの病気にかかったことがあるか。こころの病気を患ったこととのある家族がいるか。
  • 現在の生活環境、親子関係、夫婦関係など、質問を受けた場合には、正直に答えましょう。

こころの病気をもたらした背景をひとつひとつ検証していき、このような作業の中から、こころの元気を回復するきっかけを見出していきましょう。そして、医師と二人三脚で治療に取り組むことが大切です。

ストレスの感じ方を変えてみよう

ストレスを強く感じる人とそうでない人がいます。それは、ストレスの感じ方が環境だけでなく、その人の性格やものの考え方にも左右されるためです。
イライラ、不安、落ち込みなどでつらい時、ちょっとものの見方を変えてみませんか?

  1. 今、自分のできることを1つ1つ大切に取り組みましょう。楽しみながら行うことで、大きな成果が生まれます。
  2. 相手に対する期待が強すぎると、相手を萎縮させたり、お互いの溝を深めてしまうこともあります。
    相手に要求するだけでなく、相手を理解するためにも話を聞くゆとりを持ちましょう。
  3. いつも人がどう思うかを気にして自分の気持ちを抑え込んでしまうと、精神的な疲労がたまっていきます。また、周囲の期待にこたえようと頑張り過ぎると体調を崩してしまうことさえあります。
    自分のできることを精一杯努力していれば、あなたの努力をわかってくれる人が必ずいるはずです。
  4. あまりに完璧にこだわりすぎると、心が窮屈になります。
    目標を達成できなくても、いろいろな選択肢を持って周囲の状況に柔軟に対応できるゆとりを持ちましょう。
  5. 過去の出来事にとらわれていると、ここぞという時に再び同じような失敗を繰り返してしまうことがあります。
    マイナス思考を断ち切って、今やるべきことに力を注いだ時にこそ、問題解決の道が開ける事が多いものです。

来月のテーマは、「① 香りでダイエット ~香りのパワーでこころとからだをリフレッシュ~」です。