生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
5月は新生活の緊張が徐々に解けて疲れが出てくる頃。気温の変動で体調が崩れやすく、大型連休も重なり、生活リズムも乱れたり睡眠不足にもなりがちです。今回は、この時期によく耳にする「五月病」の原因や症状について詳しく解説します。さらに、五月病を防ぐためポイントと解消法についてお伝えします。

よく知られた言葉ですが正式な病名ではありません。五月病とは、5月の連休明け後に起こるもので、医学的には適応障害の状態と考えられています。主な症状には、軽いうつ症状の出現が一般的なものとして挙げられますが、身体面では不眠や朝に起きられないこと、動悸、疲れやすさ、食欲不振、頭痛、腹痛などの症状もあります。
新生活で自分のリズムが作れていない
悩みを一人で抱え、周りに相談できる人が少ない、あるいはいない
周りの環境や人間関係の変化にうまくなじめない
自分が思い描いた理想と現実のギャップに焦りが募る
長期休暇などにより、緊張から解放され、やる気がわかない
個人差はありますが、環境に慣れるにつれて1~2か月程度で落ち着くとされていますが、放っておくと症状が悪化してしまい、うつ病などを引き起こすこともありますので、注意が必要です。
五月病に限らず、環境に適応しようと頑張っていると自律神経が乱れたり、ストレスがたまり、適応能力の限界を越えて、知らず知らずのうちにココロや体に不調が出ていることがあります。
次のような傾向がないかセルフチェックしてみましょう。
□学校や職場へいくのが憂うつ
□極端に食欲がなくなるまたは増加した
□心身ともに倦怠感を感じる
□夜寝付くのに30分以上かかる
□将来のことを考えると不安になる
□些細なことでイライラする
□人と話すのが面倒くさい
どれも特別な症状ではないため、小さな変化に気づくことが大切です。
ストレスは必ずあるものと考えて、頑張りすぎていないか、疲れがためないようにセルフチャックをしながら、上手に付き合う方法を探してみましょう。
一時的な心と体のバランスの乱れによって起こるため、回復のためには「睡眠」が何より大事です。質の良い睡眠は、体内の修復を促す成長ホルモンが十分に分泌され、疲労回復が促されるだけでなく、自律神経も整いストレスが軽減されます。寝る前に、横になりへその約1㎝下にある丹田を意識しながら、ゆっくりと約1分程度「腹式呼吸」を行ってみましょう。その結果、副交感神経が優位になり良い睡眠が誘発されます。
運動や料理、ゲーム、読書など、自分なりに没頭できるものを見つけてやってみましょう。
例えば、ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの適度な運動は、気持ちの良い汗をかけたり、血行が促され自律神経のバランスを整えたり、筋肉の凝りがほぐれ、疲労回復を促してくれます。
幸せホルモンのセロトニンは、ドーパミンなどの神経伝達物質の働きにも影響を与える物質です。セロトニンの原料となる必須アミノ酸のトリプトファンやビタミンB6や、ストレスを緩和し、免疫力を高めるビタミンC、腸を整える食材を意識してみましょう。また、平日休日の生活リズムを崩さずに、1日3食規則正しくとことも大切です。
【トリプトファン】
大豆・大豆製品、赤身肉や魚類、卵、乳製品、バナナ、ナッツ類など
【ビタミンB6】
牛レバー・鶏レバー、カツオ、マグロ、サケなどの魚類、バナナ、にんにくなど
【ビタミンC】
ブロッコリー、パプリカ、ピーマン、キャベツ、ピーマンなど
【腸を整える食材】
発酵食品(納豆、キムチ、味噌、ぬか漬けなど)、食物繊維(きのこ類、海藻類、ごぼう、大根、キウイなど)
自分で何とかしようと考えすぎてしまうと悪化させてしまうこともあります、抱え込まず、家族や友人、同僚など周りの人に気持ちを話すだけでも、気持ちが軽くなるかもしれません。体がダルく、精神的に苦しいなど、日常生活に支障をきたすようであれば、医療機関へ受診することも検討してみましょう。