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三重 ~日本の郷土料理~

2014年7月号
更新)
日本の郷土料理

三重県は、日本のほぼ中央に位置し、日本最大の半島である紀伊半島の東側に位置します。南北に長く、東側には長い海岸線、西側には山岳地帯が続き、豊かな自然に恵まれています。伊勢海老やアワビ、牡蠣などの魚介の宝庫としても知られるほか、高級和牛で有名な「松阪牛」の産地でもあります。

また、歴史文化にも恵まれており、お伊勢参りの名で知られる「伊勢神宮」や、世界遺産の「熊野古道」もあり、古くから「美し国」と言われています。

県の花は「ハナショウブ」です。5~6月に白、紫、薄紅などの色の花を咲かせます。

 

名所

(伊勢)神宮

伊勢神宮の正式名称は地名の付かない「神宮」です。ほかの神宮と区別するために「伊勢神宮」と呼ばれ、親しみを込めて「お伊勢さん」「大神宮さん」とも呼ばれています。

神宮には、内宮(ないくう)と呼ばれる「皇大神宮」と外宮(げくう)と呼ばれる「豊受大神宮」の2つの正宮があります。「皇大神宮」は皇室の御祖神である天(あま)照(てらす)大御神(おおみかみ)が祀られており、歴代の天皇が厚くご崇敬になられています。

「豊受大神宮」には、衣食住の恵みの守護神である豊受大御神が祀られ、約1,500年前に天照大御神の食事をつかさどる御饌(みけ)都(つ)神(かみ)として迎えられました。毎日朝夕の二回、天照大御神をはじめ神々に神饌(しんせん)をたてまつるお祭りが行われています。

特産品

三重なばな

江戸時代から、菜種として油を絞る目的で栽培されていました。種を採るために、摘み取られた芯や若芽を捨てずに摘取菜として食用したのが始まりと言われています。

菜の花のように花芽がついたものではなく、花が咲く前の茎と若葉を収穫したものです。ビタミンCはほうれん草の約2倍、ビタミンA、ビタミンB1、鉄分、カルシウムを豊富に含みます。三重の伝統野菜としても登録されています。

郷土料理

手こね寿司

鰹や鮪などの赤身のお刺身をしょうゆなどで作ったタレに漬け込み、酢飯と合わせたお寿司です。鰹漁に出た漁師が、忙しい漁の合間に調理時間をかけず、さらに腐らないように食べられるまかない飯として食べていたのが始まりと言われています。

また、奥志摩は女性も海女として働くことが多い町でもあり、手早く作れる「手こね寿司」が定番料理として定着し、郷土料理として伝えられてきたとも言われています。

現在では、お好みで薬味として、大葉や生姜、のりなどをかけるようになり、宴会などの席で食べられています。

伊勢たくあん

伊勢たくあんは、江戸時代末期に過剰生産となった大根を保存するために作られたのが始まりです。原料である大根には、三重県の伝統野菜である「御薗(みその)大根」を使用します。

一般的な大根よりも円柱状部分が長く、首の白い品種です。各家庭での自家消費用に生産をしていましたが、明治の終わり頃から、商売用に漬けられるようになり、農業の副業として加工されてきました。

大根を天日に干し、しなやかになったら、米糠と塩、昆布、蓮台寺柿の皮、ナスの葉、唐辛子を混ぜて漬け込み、約二年かけて発酵させます。伊勢神宮のおみやげとしても名物になっています。

来月のテーマは、「愛知県 ~日本の郷土料理~」です。