健康管理情報

子どもの三大夏風邪 ヘルパンギーナ・手足口病・プール熱 ~感染症~

2020年6月
更新)
感染症

風邪や感染症になりやすいのは冬のイメージがありますが、ウイルスにはさまざまなタイプがあり、夏に活性化し、流行する感染症もあります。特に、子どもの間では三大夏風邪と呼ばれるヘルパンギーナ・手足口病・プール熱が毎年流行しています。それぞれどんな感染症の特徴があるのかをみていきましょう。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは、発熱と口蓋垂(のどちんこ)周辺に水疱性発疹(水ぶくれ)が現れる感染症です。5歳以下の乳幼児を中心に流行します。
飛沫感染や接触感染が多いため、予防には手洗いが有効です。症状から回復した後も、2 ~4週間の長期にわたり便中にウイルスが排出されているため、排便後、おむつ替えの後などは手洗いを徹底しましょう。

  • 潜伏期間:2~4 日
  • 症  状:発症すると発熱、全身倦怠、咽頭痛、口内に水疱性発疹など症状が現れます。口内が痛いため不機嫌、拒食、哺乳障害、それに伴い脱水症なども見られます。まれに、無菌性髄膜炎、急性心筋炎などの合併症を引き起こすことがあります。
  • ウイルス:主にコクサッキーウイルスA群など
  • 感染経路:主に、飛沫感染、接触感染
  • 感染の時期:5 月頃より増加し始め、7月頃にかけてピークを形成し、8月頃から減少

手足口病

手足口病は、口の中や手足などに水疱性発疹が出る感染症です。5歳以下の乳幼児を中心に流行し、保育園や幼稚園などの集団生活をしている施設は注意が必要です。
予防には、手洗い、タオルを共有しないことです。また、唾液のついたおもちゃを触ったり舐めたりすることで感染するため、おもちゃの教諭や貸し借りには注意しましょう。感染者の便中にウイルスが排出されるため、排便後やおむつ替えの後などは手洗いを徹底しましょう。
また、乳幼児の集団生活施設内での感染の広がりを防ぐことは難しく、これまでほとんどの人が子どもの間にかかって、免疫をつけてきた感染症です。

  • 潜伏期間:2~5 日
  • 症  状:発症すると発熱、口や喉の痛み、手や足の発疹、水疱、口内炎などの症状が現れます。高熱が続くことは通常はありません。まれに、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症などを引き起こします。
  • ウイルス:主に、コクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71(EV71)など
    流行する型が変わったり、複数の型が流行することもあります。
  • 感染経路:主に、飛沫感染、接触感染、経口感染
  • 感染の時期:7月下旬に流行のピーク

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱は、発熱、のどの痛み、結膜炎による結膜の充血といった症状が出る感染症です。プールの水を介して人から人へ感染したり、タオルの共用により感染したりすることが多いため、プール熱とも呼ばれています。保育園や学校などで小児を中心に流行します。
予防には、感染者との接触を避けること、うがい手洗いをするなどです。プールを介しての流行に対しては、プールの塩素濃度を適正に維持することが大切です。集団発生しやすいプール後は、眠くなったとしてもその日のうちにお風呂に入りましょう。学校安全法では、第二種伝染病に位置づけられているため、症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とされています。

  • 潜伏期間:5~7日
  • 症  状:発症すると発熱、頭痛、食欲不振、のどの痛み、結膜炎に伴う眼痛などの症状が現れます。
  • ウイルス:アデノウイルス
  • 感染経路:主に、飛沫感染、接触感染
    プールを介した場合には、汚染した水から結膜への直接侵入すると考えられています。
  • 感染の時期:季節を問わず発生しますが、毎年6月頃から徐々に流行しはじめ、7~8月にピークを迎えます。

子どもの夏の三大感染症の予防と対処法

夏風邪のウイルスに効くワクチンや特効薬はなく、ウイルスが原因のため抗生物質も効果がありません。そのため、基本の予防は感染者と接触を避けることと手洗いやうがい、タオルを共有しないことになります。

もし感染してしまった場合は、水分補給、栄養補給を行い安静にして回復を待ちましょう。
体力の回復に必要なタンパク質が不足しないように、白身魚や卵、豆腐などの柔らかくて食べやすいものを取ると良いでしょう。ただし、ヘルパンギーナのようにのどが痛くて食べられない場合は、ヨーグルトやプリン、アイスクリームなど、のどを通りやすく、食べられるものでもよいでしょう。

軽症で済む場合が多いですが、まれに重症化することがあるため保護者は経過観察をしっかり行い、水分が取れず尿が出ない、高熱、ぐったりしているなどの異変がある場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。
また、免疫力が低下していると大人も感染することがあるため、日ごろから生活リズムを整えて免疫力が低下しないようにしましょう。

来月のテーマは、「結核 ~感染症~」です。