生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康診断のうち、誰でも経験する基本といえば身体計測です。
身長、体重、肥満度などを調べるものですが、「肥満」は検査の中で2番目に多いものです。
ところで、肥満は、摂取エネルギー(食事)と消費エネルギー(運動)のバランスが崩れたときに生じます。
余った摂取エネルギーは、脂肪細胞に蓄積されてどんどん大きくなります。(下図)
また、肥満とは、単に体重が多い状態だけでなく、体についている脂肪組織(体脂肪)の割合が多い状態のことで、水分が増えて浮腫んでいたり、筋肉によって体重が増えている場合は肥満とはいえません。
体を構成している成分のうち脂肪の量は状況に応じて変動します。
そして、体脂肪率とは脂肪が体に占める割合のことで体脂肪率が高くなると体重も増えます。
また、見た目や体重は標準、あるいはやせていても、体脂肪率の高い人もいて、これを「かくれ肥満」といいます。
BMI(ボディ・マス・インデックス)は、世界的に用いられている体格指数です。
スポーツ選手など、ハードに筋肉を鍛えているような人でない限り、体脂肪率と相関します。
また、BMI指数による標準体重の出し方は、{身長(m)×身長(m)}×22の計算式で算出できます。
※ BMI=22は、最も病気が起こりにくいとされる数値です。
BMIによる判定は、あくまでも目安です。一見してやせていても、体脂肪率が高い「かくれ肥満」に十分注意しましょう。 BMIが22~26の範囲内だと言って安心できない事をお忘れなく。
肥満は脂肪のつき方によって2つのタイプに分かれます。
さらに、りんご型肥満は、脂肪のつき方で2つの型に分けられます。
このうち、内臓脂肪型肥満は、内臓の周りに脂肪がつくタイプで、脂肪の消費と蓄積が頻繁に行われるため遊離脂肪酸が増えます。
遊離脂肪酸は肝臓で様々な代謝に関係しますが、多すぎると正常な代謝を阻害します。
肥満の恐ろしさは、様々な合併症を引き起こす原因になることです。肥満の判定法で「肥満」と思われる人は減量を行っていくことをお勧めします。
来月のテーマは、「コレステロールの検査」です。