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腎臓の働きと病気

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健康診断・生活習慣病

腎臓の仕組みと働き

腎臓とは、背中側の腰のやや上あたりに脊椎を挟んで左右に1つずつある臓器です。形はソラマメに似ていて赤褐色をしています。腎臓1つあたりの大きさは、握りこぶし1個分くらいの大きさで、重さは1つにつき120~150g程度です。

腎臓の働き
  1. 血液のろ過・再吸収
  2. 体内の水分量・塩分バランスの調整
  3. 血圧の調整
  4. 造血ホルモンの産生
  5. ビタミンDの活性化
腎臓の働きが悪くなると…

腎臓から余分な水分が十分に排泄されず、浮腫みが生じたり、尿量が極端に減ったり、頻尿、疲れやすさや貧血などが起こることがあります。腎臓病の初期症状としては、手足や顔などがパンパンに浮腫み、指で押すと跡が残るなどがありますが、自覚症状がないまま検査して初めて病気に気づくということも多いと言われています。そして、腎機能は一度機能を失ってしまうと回復することができないため日頃の

腎機能の検査

検査方法
(尿の検査)
検査内容
尿タンパク・尿潜血 試験紙による検査。
通常は陰性であっても、起立・運動・発熱などで陽性になる場合もあるので、初回の場合は再検査の必要があります。
尿沈渣 尿を遠心分離器にかけて固体成分を顕微鏡で調べます。
顆粒円柱や赤血球円柱が見つかると病変がある可能性が疑われます。

※ 顆粒円柱、赤血球円柱…腎臓に病変があると特殊な円柱が見つかることがある。
※尿タンパクと尿糖が出ている場合は糖尿病性腎症が疑われる。
 

検査方法
(血液の検査)
基準値 検査内容
尿素窒素(BUN) 8~20mg/dL 体内で使用されたタンパク質の老廃物の一つ。
腎機能が低下し、ろ過機能が十分でないと尿中への排泄が減少し、血液中に増加します。
クレアチニン

男性1.0㎎/dL以下

女性0.8mg/dL以下

体内で使用されたタンパク質の老廃物の一つ。
腎機能が低下し、ろ過機能が十分でないと尿中への排泄が減少し、血液中に増加します。
尿酸 2.1~7.0mg/dL 尿酸の排泄量が少ない場合は腎臓の機能が十分でない。過剰な場合は、高尿酸血症が疑われます。

血液中の尿酸値が増えることを高尿酸血症といいます。尿酸血症は腎機能の低下だけでなく、偏った食生活などによっても起こるので、尿酸値だけで腎臓が悪いと判断はできません。
また、尿酸が血液中で針状の結晶を作り、関節や皮膚に沈着すると、激痛を伴うため風が当たっても痛いという意味合いで『痛風』と呼ばれています。

腎臓病の種類

急性腎不全の経過
経過 無尿~乏尿期 利尿期 回復期
症状 ・急激な尿量の減少
・体重増加
・尿のにごり
・蛋白尿
・むくみ
・クレアチニン、
BUNが増加し、
尿毒症症状が発現する
など
・尿量の増加
・体重減少
・脱水
・BUNの低下
尿細管の機能回復と共に原尿の再吸収が促進され、尿量が正常になる

 

腎臓病の治療

腎臓病の治療は医師や管理栄養士とよく相談をし、各病状に合った適切な指示を受けることがとても大切です。その上で、腎臓病食品交換表を活用し、食事療法を行います。

症状がひどい場合には、塩分制限だけでなく、タンパク質や水分などの制限がある場合があります。自己判断せずに必ず指示に従い、これ以上悪化しないようにしましょう。