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山梨 ~日本の郷土料理~

2015年5月号
更新)
日本の郷土料理

山梨県は、日本列島のほぼ中央の本州内陸部に位置する県です。5つの県(東京都、神奈川県、静岡県、長野県、埼玉県)に囲まれ、陸と海との海岸線を持たない内陸県です。山梨県は内陸県特有の気候の特徴があり、そのひとつとして寒暖の差が激しいことがあげられます。夏の盆地は激しい暑さに見舞われ、雨が少なく日差しが強いことが特徴です。冬は寒く、「八ヶ岳おろし」と呼ばれる季節風が強く流れます。また降雪量にも地域差があり、南アルプス市と早川町は豪雪地帯として知られていますが、そのほかの地域の降雪量はわずかです。多くの山々に囲まれていることから、地域によって気候に差があります。
山梨県は、全国第32位の広さの面積をもち、人口は全国第41位となっています。富士山・八ヶ岳・赤石山脈・奥秩父山地など多くの山に囲まれていることから、面積の約8割を山岳地帯が占めています。
山梨県は、産業の中でも特に農業が盛んです。山梨県特有の標高差や朝晩の寒暖差、日照時間の長さを生かした特色ある農産物を栽培しています。山梨独自の伝統野菜である大塚にんじんや八幡芋、鳴沢菜、などもこの土地の気候を生かした野菜として栽培され、今なお食されています。また「富士の国やまなしの逸品農産物認証制度」という一定の品質基準を満たした農産物を認証する制度があります。認証基準は各農産物の出荷規格の中でも最高水準であり、高品質の農産物の証でもあります。主な農産物としてモモやピオーネ、甲州牛など様々なものがあります。
山梨県の県花は「フジザクラ」です。

 

名所

甲府城(舞鶴城公園)

甲府には、戦国武将にまつわる名所がたくさんあります。中でも、有名な戦国武将、武田信玄滅亡後に築城された甲府城(別名:舞鶴城)は、今なお観光地として親しまれています。
甲府城は豊臣秀吉の命により建てられました。時代を経て将軍家一門や大名の城となり、城下町とともに大きく発展していきました。明治時代になると甲府城は廃城となって行き、徳川時代の面影を失いましたが解体と縮小を繰り返し、現在は「舞鶴城公園」として人々に開放されています。

特産品

もも

山梨県はももの産地として有名です。全国第1位の収穫量を誇り、収穫量の31.4%を占めています。山梨県で栽培されているももの代表的な品種として「ちよひめ」や「白鳳」、「浅間白桃」などの品種があります。ちよひめは昭和63年に品種登録されました。特徴として、色地はまだらなものが多く見られます。時期は品種によって多少の差がありますが、7月初旬から7月下旬といわれています。
ももの主成分は果糖で砂糖の約1.5倍の甘さを感じます。しかし、100グラムあたり40キロカロリーとにんじんやたまねぎなどの野菜とほぼ同等のカロリーしかないことも魅力的な特徴です。ナトリウムの排泄を促す効果のあるカリウムが豊富に含まれていることから高血圧にも効果があるといえます。また水溶性食物繊維のペクチンはコレステロールの正常化や便秘の解消にも効果があります。このことから健康や美容に優れた果物といえます。

郷土料理

アワビの煮貝

アワビの煮貝は山梨県の古くからの高級名産品であり、結婚式などの祝いの席や、県外への贈り物として親しまれています。
約400年前、静岡県の駿河湾で獲れたあわびを山梨県まで運ぶためにしょうゆに漬け込んで日持ちをさせたことがきっかけと言われています。

ほうとう

ほうとうは山梨県の代表的な郷土料理のひとつです。ほうとうの歴史には様々な諸説があります。その中のひとつで武田信玄が戦国時代に、甲州に出入りしていた遣唐使から伝承されたことから、武田汁とも呼ばれています。また、呼び名の由来として、煮込んだうどんの「はくたく」が「ほうとう」に変化した、武田信玄自ら伝家の宝刀で麺を切ったことから、ほうとうと名づけられたと言う説もあります。
また、2007年には『農山漁村の郷土料理百選』に選ばれ、山梨県だけではなく
全国で広く食されている郷土料理といえます。作り方は、だし汁の中に季節の野菜などを入れます。麺を半分の長さに切りほぐしながら入れます。やわらかくなったら味噌をいれ味を調整し煮込んだら完成です。具材には特に決まりがなく、一般的にかぼちゃを入れることが多いとされています。

来月のテーマは、「岐阜県 ~日本の郷土料理~」です。